読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ

奇商クラブ【新訳版】 (創元推理文庫)

奇商クラブ【新訳版】 (創元推理文庫)

奇商クラブ【新訳版】 (創元推理文庫)

作家
G. K. チェスタトン
南條竹則
出版社
東京創元社
発売日
2018-11-30
ISBN
9784488110192
amazonで購入する Kindle版を購入する

あらすじ

秘密結社をめぐる六つの奇妙な物語
〈ブラウン神父〉に先駆けて発表されたミステリ
巨匠の初期の代表作


優れた法曹家でありながら法廷で発狂し、今は隠棲しているバジル・グラントと友人たちは、善良な大佐を見舞う恐ろしい陰謀や、奇妙な拉致事件の被害者となった牧師が語る信じ難い体験談などに接するうちに、あるクラブの会員たちと出会う。会員は既存のいかなる商売のバリエーションにもあたらない「完全に新しい商売」を発明し、それによって生活を支えなければならない――この一風変わった結社は「奇商クラブ」と呼ばれていた。チェスタトンが〈ブラウン神父〉シリーズに先駆けて発表した六篇を新訳で贈る。
解説=小森収

奇商クラブ【新訳版】 (創元推理文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

りつこ

チェスタトンをそれほどたくさん読んだことがあるわけではないので、この作風とテンション(の低さ)に戸惑ったが、読み進めるうちになんとなくパターンが読めてきてゆったりと楽しんだ。小学生の頃にイギリスユーモア選みたいな本を読んで、どこが面白いのかさっぱりわからなかったのだが、それに通じるユーモアを感じる。わはは!じゃなく、ニヤリ。ブラウン神父のシリーズも少しずつ読んでいきたい。

2019/03/18

S

チェスタトン初読。6篇の謎解き短編集。「まったく新しい商売」をしているものだけが入ることを許される「奇商クラブ」。狂気に陥ったとみなされ、隠棲生活を送る元判事バジルが謎めいた事件を解き明かす。登場するキャラクターはエキセントリックで、巻き起こる事件は奇妙ながらも、読み心地は軽妙で洗練されており、この物語世界にもっといたいと思わされた。ユーモアに包んだ皮肉や風刺的な姿勢にスッとする。『驕りの樹』、『背信の塔』が特に印象に残っている。

2019/01/03

星落秋風五丈原

本編の主人公バジル・グラントは法律を扱う勅撰法曹家として筆舌に尽くせぬほど才気煥発な、恐るべき人物だったが、法廷で罪を犯した者に刑を科すのではなく「療養した方がいい」と言ったり、判決文を読む代わりに歌を歌い始めたりするなど奇矯な行動をした後引退する。彼の弟ルーパートは数々のとらばーゆを経て私立探偵。バジルの友人スウィンバーンが語り手役を担う。可能な限り多くの結社に入ることを道楽にしており、今まで入った結社には「死人の靴ソサエティ」「赤いチューリップ同盟」など訳の分からないものもある。

2018/12/21

qoop

未だかつて存在しなかった商売によって身を立てることが入会条件という奇商クラブ。その会員たちを巡って起こる奇妙な事件の数々。登場人物も変人ぞろいで、通常思い浮かべるミステリとは異なった独特な読み応えを味わった。謎解き要素が事件の解決ではなく、事件の発見に向けられているせいだろうか。奇商クラブという珍妙な設定によってどんでん返しに必然性が設けられたため、物語に潜む二重の意味合いを見つけ出す面白みがあった。ラストに至るまで気が抜けない一冊だった。

2019/03/02

Inzaghico

いや~、もっと早く読めばよかった。ブラウン神父ものの前日譚といった趣。「今までにない奇抜な商売で実益を上げている者に限り、入会を許可」されるクラブだ。それにしても、訳者の南條が巻末でわざわざこのタイトルについてページを割き、こう命名した中村保男氏に敬意を表しているが、わたしも実にうまいタイトルだと思っている。 「家宅周旋人の突飛な投資」は、最後が実に素敵。いまなら意外とふつうにあるけれど、少年の夢がかなったとしたら、こうなんだろうな。風に揺られて祝杯のひとつもあげたくなるではないか。

2018/12/22

感想・レビューをもっと見る