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黒死荘の殺人 (創元推理文庫)

黒死荘の殺人 (創元推理文庫)

黒死荘の殺人 (創元推理文庫)

作家
カーター・ディクスン
南條竹則
高沢 治
出版社
東京創元社
発売日
2012-07-28
ISBN
9784488118334
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黒死荘の殺人 (創元推理文庫) / 感想・レビュー

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W-G

名前も知らない作品がいつの間にかカーの傑作だと認知されていたので読んでみた。すぐに『プレーグコートの殺人』の改題と気づいたが、表紙の原題を見落としていた自分にがっかり。現代では応用のきかないトリックばかりだが、ショーマンシップに溢れた価値ある傑作。序盤は若干退屈であり、もって回った表現が苦痛な部分もあるが、H・M卿登場後は流石の存在感で読者を引き込む。サービス精神が旺盛過ぎて、時として馬鹿々々しさと紙一重なカーの作品群の中でも間違いなく上位の作品。ただ、怪奇性は期待しない方が良い。乱歩・横溝の半分以下。

2016/12/11

とよキチ

ジョン・ディクスン・カー作品2冊目(カーター・ディクスン名義は初読み)。別名『プレーグ・コートの殺人』。H・M卿シリーズの長編第1作◆怪奇小説+密室ミステリ。黒死荘の設定とロンドンの時代背景・風景描写が、超自然的な雰囲気をより一層際立たせており、魅了された。H・M卿によって論理的に解明される密室の謎解き部分に、多少首を傾げたくなる個所もあるが、意外な犯人・凶器の発想には脱帽。個人的には、動機に恐怖を感じました(汗)

2012/12/19

藤月はな(灯れ松明の火)

降霊術が行われていた黒死荘で人が殺害された。限られた容疑者の内、誰が犯人なのか?「あんたみたいな女が中盤から脱ぎ出す映画を観て~」など女性へのセクハラ発言が飛び出すメリヴェールですが証言を客観的に考慮し、尚且つ、独断に走りそうな人々を冷静に抑えている所が好印象でした。横溝作品並の怨念に纏わる黒死荘の逸話が怖すぎる上、ある人物のまるでその逸話を補完し、更に因縁づけるような最後にぞっとしました。果たしてその行動は自らの意志で行ったのか、それとも・・・・・・。

2013/06/23

星落秋風五丈原

陸軍省のマイクロフト、ヘンリ・メリヴェール卿が「殺人事件の顛末を誰か書いてくれ!」とごねているが誰も手を挙げない。そこで貧乏くじを引いたのが、今回の語り手ケンウッド・ブレークだ。なんでもポーカーで負けたらしい。彼はスコットランド・ヤードのマスターズ主任警部とも知り合いで、事件の関係者と知り合いだったことから、書き手としてはうってつけだったのだ。「幽霊屋敷で一夜明かしてくれないか?」と頼まれたブレークが思い出したのが「オカルトなんて全部科学で説明がつく」説を譲らないマスターズ主任警部だ。

2022/01/02

セウテス

〔再読〕ヘンリー・メルヴィル卿初登場作品です。黒、白、赤と続く三部作の一つです。過去にペストで多くの犠牲者をだした黒死荘で、降霊会が開かれようとしていたが、主催者が準備中の密室で殺害されてしまう。今となっては幾つかの作品で似たような仕掛けが使われた有名なトリックですが、密室の謎は勿論犯人を上手に隠している作品です。そして犯人当て迄一捻りも二捻りもあり巧妙な伏線が配置され、やがて分かる事実にはただただ驚かされるばかりです。この作品に感化され、横溝正史氏が金田一耕介の『本陣殺人事件』を書き上げた事は有名です。

2014/09/21

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