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九人と死で十人だ (創元推理文庫)

九人と死で十人だ (創元推理文庫)

九人と死で十人だ (創元推理文庫)

作家
カーター・ディクスン
駒月雅子
出版社
東京創元社
発売日
2018-07-30
ISBN
9784488118457
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九人と死で十人だ (創元推理文庫) / 感想・レビュー

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Tetchy

謎また真相は小粒でありながら全てが収まるべきところに収まる美しさがあった。ある意味ディクスンらしからぬロジックの美しさが感じられる作品。また注目したいのは舞台が第2次大戦時下という点だ。複数の国を巻き込んだこの戦争において無数の人間が死ぬ状況。そんな中で軍需品輸送の密命を帯びた客船に同乗した9人の乗客と船員達はそれぞれに名を持ち、そしてそれぞれに使命を、希望を、そして思惑を持っている。大量に人が死ぬ時代に9名の人間が意志ある人間として描かれ、殺人劇が繰り広げられているところに本書の意義があるように思える。

2019/06/17

星落秋風五丈原

盲目の理髪師【新訳版】に続いて、メリヴェール郷も船上ミステリに挑戦。しかも今度はメリヴェール郷が乗船。彼の初登場は、理髪師に怪しげな薬を進められている場面。 最初のうち彼は登場せず、読者はまず船長の弟で負傷しているマックスの視点で、「この船には殺人犯が乗っている」と言う地方検事補、色気をぷんぷん振りまいているマダム、なぜかつっかかる物言いをする若い女性など、一癖も二癖もありそうな乗客たちを見ていく。何でもお見通しのメリヴェール郷視点で語られることほど興ざめなものはないから彼視点でちょうどよいのだ。

2018/09/06

buchipanda3

題名から「11人いる!」がまず最初に頭に浮かんでしまった。船上を舞台としたミステリ長編。なるほど確かにクローズドの状況で行われるべき犯罪だったが、その状況ゆえに一見すると不可能犯罪と思われた事件の真相への糸口が手繰り寄せられたというのが面白かった。高度なトリックとならしめるものが緻密な計画だけではないのだなあと。H.M.卿の細部にわたる状況把握と発想の切り替えによる推理はお見事。ただ最後はもっとスマートにいけた気も。戦時下の不穏さ、活劇のようなクライマックスと演出面も読み応えのある作品だった。

2018/08/17

本木英朗

米英本格ミステリ作家のひとり、カーター・ディクスン(カーの別名義)の長編のひとつが、この作品だ。俺は国書版で3回読んでいて、今回が4回目である。第二次大戦中、独潜水艦の襲撃に脅えながら、英へ向かう商船の船室で、出航以来、いわくありげな雰囲気をふりまいていた乗客の女性が、喉を切り裂かれて殺されているのが発見された。現場に残されていた血染めの指紋は、調査の結果、船内の誰のものでもないことが判明する。乗客は全部で九人。はたして姿を見せない十番目の人物は存在するのか……という話だ。

2020/05/16

ネコベス

ニューヨークから戦時下の英国へ軍需品を運ぶ船に乗り込んだ元新聞記者のマックス。後悔二日目の晩、女性が船室で喉を掻き切られて死亡した。現場には血染めの指紋が残され、船内全員の指紋を採取して調べた所誰の指紋とも該当しなかった。この難事件に船に乗り合わせていたメルヴェール卿が挑む。指紋のトリックはシンプルながら意表を突くユニークな着想。題名の響きがが良い。

2018/10/18

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