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深夜の博覧会 (昭和12年の探偵小説) (創元推理文庫)

深夜の博覧会 (昭和12年の探偵小説) (創元推理文庫)

深夜の博覧会 (昭和12年の探偵小説) (創元推理文庫)

作家
辻真先
出版社
東京創元社
発売日
2021-01-28
ISBN
9784488405168
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深夜の博覧会 (昭和12年の探偵小説) (創元推理文庫) / 感想・レビュー

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りゅう☆

銀座で似顔絵を描きながら漫画家を目指す一兵少年に名古屋汎太平洋平和博覧会の取材に同行願うと女性記者からの依頼が。富豪宗像が建てた「慈王羅馬館」のスケールが凄い。宗像の刎頚之友崔(彼も大富豪)、妻潭芳、愛妾杏蓮、護衛役や看護師など崔一族も一緒に過ごす。だが杏蓮の足が東京で発見され、杏蓮の妹で一兵が恋心を抱く澪が誘拐され料亭でも…。過去のこと、中国との関係、戦争、殺人・誘拐事件のトリック。絡み合う謎を一兵が解き明かす。一兵、只者ではないな。犯人が残した最後の謎が解けた時、将来を願う想いの深さを切なさを感じた。

2023/11/19

ヒデキ

日本が、戦争に進んでいる時代を舞台にした 犯罪小説です。前半が、時代を感じさせる文章表現で 慣れるまで少々時間がかかりました。 後半は、主人公の謎解きが、一気にはじまります。 主人公の周りの状況が、日中戦争への歯止めであったものが、少しづつ壊れていくことが見えていきます また、当時の人の価値観を反映している状況が、ちょっとづつ見えて面白かったです

2022/05/21

カノコ

取材のために名古屋で行われる博覧会を訪れた、銀座の似顔絵描きの少年・一兵。博覧会に参加していた女性の足だけが、なぜか東京で発見される。『昭和12年の探偵小説』という副題の通り、その時代の空気感が匂い立つ作品だった。正直なところ読みにくいのではないかと危惧していたのだが全くの杞憂で、銀座の電燈や名古屋の喧騒が目の前に鮮やかに蘇ってくる。事件自体も魅力的で、この設定だからこその動機やトリックにとても胸が踊った。眼前に迫る戦争の気配も生々しく、それに対する筆者のどこかシニカルな目線も読み応えがある。面白かった。

2021/06/29

うまる

戦前が舞台のミステリ。年号と歴史的事件を学ぶお勉強だけではわからない、この時代の民衆の空気を感じられるのがとても良かったです。ミステリとしては、この時代設定のものによくあるエログロですが、それに意味がある所が現代的な纏め方だと思います。特にエロは、読んでいる時にこのシーンいる?と思った所が、後々心理を慮る上で重要なファクターだった事がわかり唸りました。終盤出てくるヒロインの性格の悪さにちょっと引きましたが、全体的には面白かったです。戦後の2作目も楽しみです。

2022/02/14

penguin-blue

大戦近い昭和12年、銀座の似顔絵描きの少年と女性記者が、名古屋で開かれた大博覧会の取材に赴く。満州の大富豪と薄幸の愛人、無頼の伯爵が創った奇怪なゲストハウス、ひと癖ある人々が絡む中、猟奇的な事件が起こり…ある意味いろいろと反則(笑)ですが、少年探偵団や怪盗二十面相で育った世代にはなんだか懐かしく、面白かったです。ちょうどあの頃のそれこそ江戸川乱歩の表紙の色合いで描かれた世界。実は辻さん初読みで、ググってみて今さらながら、多作&御年89歳にびっくり。さらに、こんなアニメ、あんなドラマも…懐かしいはずだわ。

2021/10/18

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