謎物語 (あるいは物語の謎) (創元推理文庫)
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謎物語 (あるいは物語の謎) (創元推理文庫) / 感想・レビュー
KAZOO
再刊であることは知っていましたが、てっきり昔読んだアンソロジーかと勘違いしていました。15回のミステリーに関するエッセイ集なのでした。15回という区切りが大学の授業のような感じでちょうどいいところですね。さまざまな小説からの引用がありそれを話題にしてなぞを解いていくような感じです。楽しめました。
2019/12/17
buchipanda3
人を惹き付けるミステリの謎について語られたエッセイ集。著者の軽妙な語りと博覧強記ぶりに魅入られて至福の読書となった。どういった謎が魅力的なのかを様々なものから引用して示してくれるのだが、推理小説のみならず落語や手品、映画など幅広い分野から語られ、それがまた興味深いものばかり。何だか面白い講義を受けてるみたい。本格愛、小説の懐の深さ、印象深いトリックとは、種明かしと作家…。叙述の服部氏の随筆に思わず成程となり、子供の詩の文章による違いに唖然。読者としての解釈の冒険も興味深かった。さらにブックガイドにもなる。
2019/12/01
のぶ
北村薫さんのミステリーに関するエッセイ。初出は20年以上前だが、古さは感じない。全体を通して、本に対しての愛情に溢れている内容だった。「吾輩は猫である」の中の一文にミステリーを導き出したり、普段何気なく読んでいる本に関して踏み込んでいて楽しかった。その中でも本格ミステリーについてはかなりこだわって語られていた。文章自体はやや硬く内容も難しい部分も感じられた。北村さんは他にも本に関するエッセイを出しているが、ミステリーを読みたくなる一冊だった。
2020/01/23
チアモン
ミステリに関する北村薫氏のエッセイ集。北村氏はこよなくミステリを愛していることがひしひしと伝わってきた。20年以上の前の作品だったんですね。私もミステリは好きでよく読んでいるが、こんな読み方、見方もあるんだと考えさせられた。まだまだ甘ちゃんだな、私はと思いながら読み終えた。これからもミステリを追い続けて行きたいと思える内容でした。
2020/04/09
タカギ
2004年に角川文庫から出版されたものに有栖川有栖先生の解説を加えた新装版。北村先生にとって初エッセイ集だったそうで、熱意の密度もすごい。北村先生にかかると、謎の種、本格の種があらゆるところから見つかる。書籍としては、二色刷りが綺麗で珍しい。有栖川先生の解説によると、北村先生はあまりおしゃべりではないとのことだけど、トークイベントなどでは主に舵取り役を務めているように見えた。普段から「これも本格でしょう」と言ってネタを集めてるのね。面白い。書名索引が付いていて、最良のブックガイドでもある。
2020/05/17
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