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オーブランの少女 (創元推理文庫)

オーブランの少女 (創元推理文庫)

オーブランの少女 (創元推理文庫)

作家
深緑野分
出版社
東京創元社
発売日
2016-03-20
ISBN
9784488453114
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オーブランの少女 (創元推理文庫) / 感想・レビュー

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Tetchy

洋の東西を問わず、現代から近代・中世まで材に取りながらも、まるで目の前にその光景が、更には色とりどりの花木や悪臭などまでが匂い立つような描写力は実に秀逸。プロットは正直単純だが作者の目くるめくイマジネーションの奔流に巻き込まれ、濃密な時間に浸れる。それはまるで作者がしたり顔で杖を振るって微笑みながら見せてくれるイリュージョンのようだ。物語の強さにミステリの謎の強さが釣り合っていないが、私は寧ろミステリとして読まず、作者が語る夜話として読んだ。この作者には物語の妙味として謎をまぶした作品を今後も期待したい。

2017/05/05

ナルピーチ

少女をテーマに描いた哀愁漂う5話の短編集。本作が著者のデビュー作であるとの事だがその出来映えと読み応えにとても満足できた一冊だ。特に各話ごとにまったく異なる世界観と時代背景で描かれた作風はそのクオリティの高さを物語っている。表題作である『オーブランの少女』そして最終話『氷の皇国』は単体の作品としてもその完成度の高さが伺える。そして前述した二作とはテイストが違う『片思い』も個人的には好みの1話。これを機に著者長編作品も読んで見たくなった!

2021/03/31

ちなぽむ@ゆるりと復活

私はあの頃楽園を信じきれなくて美しいものを集めてはいつか失望すること(されること)を恐れて過分に残酷になれた。とりどりの花の名前は知らなくて鮮やかな色あいだけを記憶。光に満ちた楽園がいつか終わると知っていたなら別の選択もできたろうか、悔恨は甘酸っぱく輝くsouvenir。いつまでも浸ることが今のよろこび。硝子細工は隅々まで灯りを届けるから嫌いです。隠してよ醜いものなど嘲笑って。幸せなどいくらでも手に入れることができると傲慢に笑んだあの頃の私は(貴女は)美しかった。今は美しい灯りも素直に好きと言えるのです。

2021/01/10

nico

「少女」を共通モチーフにした短編集。国も時代設定も様々な少女達。どの少女も時代の波に翻弄されても、時にしたたかに懸命に知恵を絞り、時代を駆け抜ける姿が清々しく好感が持てた。特にヨーロッパの史実にミステリーを組み込ませた表題作と、深緑さんには珍しい日本を舞台にした『片想い』、架空の北国を舞台にしたミステリアスなファンタジー作品『氷の皇国』が面白い。深緑さんの短編は初めてだったけれど、どの短編も一捻りあってとても面白く夢中になった。これからもこんな短編集や、長編のファンタジー作品も読んでみたい。

2019/01/22

アッシュ姉

とても好みの世界観で没頭して読み耽った。時代や背景を変えながら繰り広げられる濃密な短編集で、共通するのは秘密を抱えた少女。可憐で愛らしく残酷で痛々しい少女たちの物語をじっくりと堪能した。五編それぞれ良かったが、表題作がやはり印象的。遠い昔の異国のようだが、舞台が明言されないまま物語は進む。ゆっくりとだが着実に悲劇へと向かっていく様から目が離せない。次第に輪郭が見えて、あるところでぴたりと景色がはまる。驚愕というより納得の真相。ラストを飾る「氷の皇国」も面白かった。今後も注目したい作家さんだ。

2019/07/30

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