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オーブランの少女 (創元推理文庫)

オーブランの少女 (創元推理文庫)

オーブランの少女 (創元推理文庫)

作家
深緑野分
出版社
東京創元社
発売日
2016-03-20
ISBN
9784488453114
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オーブランの少女 (創元推理文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

デビュー作「オーブランの少女」を含む、深緑野分の第1作品集。5つの短篇を収録。表題作、「仮面」、「大雨とトマト」、「片想い」、「氷の皇国」のそれぞれは、第2次大戦中のフランス、20世紀初頭のロンドン、現代の東京の片隅、戦前の高等女学校、時代不明の北の皇国が物語の舞台に選ばれている。この人は、こうして物語に一定の枠組みを持つ「世界」を設定することで、かえって自由に語っていくのを得意とするタイプの作家であるようだ。そして、その特性は、この後の『戦場のコックたち』や『ベルリンは晴れているか』に活かされてゆく。

2022/07/18

Tetchy

洋の東西を問わず、現代から近代・中世まで材に取りながらも、まるで目の前にその光景が、更には色とりどりの花木や悪臭などまでが匂い立つような描写力は実に秀逸。プロットは正直単純だが作者の目くるめくイマジネーションの奔流に巻き込まれ、濃密な時間に浸れる。それはまるで作者がしたり顔で杖を振るって微笑みながら見せてくれるイリュージョンのようだ。物語の強さにミステリの謎の強さが釣り合っていないが、私は寧ろミステリとして読まず、作者が語る夜話として読んだ。この作者には物語の妙味として謎をまぶした作品を今後も期待したい。

2017/05/05

ナルピーチ

少女をテーマに描いた哀愁漂う5話の短編集。本作が著者のデビュー作であるとの事だがその出来映えと読み応えにとても満足できた一冊だ。特に各話ごとにまったく異なる世界観と時代背景で描かれた作風はそのクオリティの高さを物語っている。表題作である『オーブランの少女』そして最終話『氷の皇国』は単体の作品としてもその完成度の高さが伺える。そして前述した二作とはテイストが違う『片思い』も個人的には好みの1話。これを機に著者長編作品も読んで見たくなった!

2021/03/31

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

私はあの頃楽園を信じきれなくて美しいものを集めてはいつか失望すること(されること)を恐れて過分に残酷になれた。とりどりの花の名前は知らなくて鮮やかな色あいだけを記憶。光に満ちた楽園がいつか終わると知っていたなら別の選択もできたろうか、悔恨は甘酸っぱく輝くsouvenir。いつまでも浸ることが今のよろこび。硝子細工は隅々まで灯りを届けるから嫌いです。隠してよ醜いものなど嘲笑って。幸せなどいくらでも手に入れることができると傲慢に笑んだあの頃の私は(貴女は)美しかった。今は美しい灯りも素直に好きと言えるのです。

2021/01/10

えにくす

★★★★☆読友さんが次に読む本に困るほど、素晴らしい作品と絶賛していたので入手。五話からなるファンタジーミステリー。作者のデビュー作だが、どれも完成度が高くて唸らされた。「美しい女性は怖い」が共通項でイヤミスの要素も有る。表題作は百年前のフランスの、少女専用の寄宿舎で起こる事件。仮面は十九世紀ロンドンの殺人事件だが、真相が分かった時の女性の残酷さにゾッとした😱特に気に行った氷の皇国は、中世北欧ファンタジーで、宮廷での愛と陰謀と悲しみと感動の物語。こんな掘り出し物が読めるのが、読メの素晴らしいところだ😊

2020/12/27

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