怪奇小説傑作集 1 英米編 1 [新版] (創元推理文庫)
怪奇小説傑作集 1 英米編 1 [新版] (創元推理文庫) / 感想・レビュー
中玉ケビン砂糖
、「恐怖は人間の最も古い、最も強い情感だ」、同意、ワイルドが社交界に耀き、ニーチェが静かに死んだ19~20世紀初頭の英国は、退廃と偏愛の空気に満ちていた、巷間で良くも悪くも話題となったゴシック・ホラーのお歴々をひとまず俯瞰してみたいならまずコレ、「猿の手」などは「報酬の対価としてのなまぐさい代償」という設定の祖であり、いろいろな作品の元ネタにもなっているので既知の人は多いだろう
2015/02/17
拓也 ◆mOrYeBoQbw
アンソロジー。幻想小説。アーサー・マッケン『パンの大神』再読、ラヴクラフトなど後の幻想作家にも多大な影響を与えた名作です。なんと言ってもカフカから培われてきた「恐怖の真髄は、その本体を見せず辺縁を見せる」という手法を、コンラッド『闇の奥』に先んじて確立した作品と言えるでしょう。他にも様々な手法が用いられてますが、以前mixiに纏めたので張っておきます~(・ω・)ノシhttp://open.mixi.jp/user/1980861/diary/1955555986
2016/09/21
藤月はな(灯れ松明の火)
映像的なホラー作品が苦手な人に是非、お勧めしたい怪奇小説集です。「猿の手」は以前、少年少女向けのアンソロジーで読んだことがあるのですが主人公がチェスでズルをしていたり、その妻と子供がじゃれあったりと人間らしい描写が興味深かったです。「幽霊屋敷」と「いも虫」は真夜中に読んだのでとても怖かった覚えがあります。特に「いも虫」ではベッドにいも虫が蠢いている想像をしてしまい、怖気が発ちましたTT「パンの大神」では降臨した物が怖かったです。「秘書奇譚」のような場所への出張は御免こうむりたいです。
2010/11/07
Yu。
個性派レジェンド達によるぶつかり合いがもうたまらない!!。。。「幽霊屋敷」「猿の手」「緑茶」‥ といった昨今の恐怖ものに多大な影響を与える王道どころが満載の9つの傑作怪奇幻想譚。ほとんどが明治時代に描かれているのだがその大胆な構成、冴え渡るミスリードへの誘い、そして至極のどんでん返し等々、今読んでも全く色褪せてない鮮度の良さに改めて驚きと喜びの感動を覚えるという。全話良いだけに‥ 今回の‥ いや今のお気に入りは、サスペンス・ミステリ・ホラーの3つの調和が絶妙な音色を奏でるアーサーマッケン「パンの大神」。
2015/09/30
pulpo8
10日かけて読了!ちくま文庫の「怪奇小説日和」よりはとっつきやすい。それもこれも平井訳が可愛らしいお陰でしょう。人間の理性は時代を越えても変わらないもので、心霊否定派が多いので、変な方向に不安にならないのも良かった。ヘンリー・ジェイムズは今回もよく分からなかったけど。「ポインター氏の日録」「いも虫」「秘書奇譚」「炎天」「緑茶」あたりが好き。「猿の手」は既読で、凄い話だな、と思うと同時にこんだけ分かり易けりゃ人気になるよな、という気持ちも。時間がゆったり流れる方が気になったのは、怪奇小説に慣れてきた証拠か。
2014/10/11
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