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M・R・ジェイムズ怪談全集 2 (創元推理文庫 F シ 2-3)

M・R・ジェイムズ怪談全集 2 (創元推理文庫 F シ 2-3)

M・R・ジェイムズ怪談全集 2 (創元推理文庫 F シ 2-3)

作家
M・R・ジェイムズ
Montague Rhodes James
紀田順一郎
出版社
東京創元社
発売日
2001-11-01
ISBN
9784488528034
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M・R・ジェイムズ怪談全集 2 (創元推理文庫 F シ 2-3) / 感想・レビュー

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星落秋風五丈原

神学博士アシュトン博士は妻の妹の遺児フランクを引き取る。大学時代の友人でアイルランドの貴族から「養育費を払うから自分が海外にいる間息子サウルを育てて欲しい」と頼まれる。フランクの様子がおかしくなり末期の言葉は「もう会いたくないが、彼がどんな寒い目にあうか心配だ」という奇妙なもの。 サウルという名前は旧約聖書で、イスラエル最初の王となるも、後継者ダビデを妬んで何度も殺そうとする人の因縁の名前。この子供達の話が前半で、彼等が暮らしていた僧房に新たな住人がやってきてからの話が後半「ホイットミンスター寺院の僧房」

2020/07/07

Ribes triste

ジェイムズの怪談は面白い。読み始めるといきなり異次元に持っていかれる感覚が好きです。おとぎ話風の小さなお話が詰まった拾遺編も楽しかった。この楽しさは、紀田さんの名訳によるところが大きいです。講談調の調子良い語り口。ミドルクラスの奥方の言い回しが、きりりとした商家のおかみさん風だったり、宿屋の主人や職人が気風のいい調子だったり、見事な江戸弁に翻訳されているのが素敵です。新訳が出版されれば失われてゆくものでしょうが、読むことが出来て良かった。

2022/11/21

timeturner

堪能した。ひと昔前の田舎や大学の風景、人々の暮らし、広範な知識に裏付けられた薀蓄、ほのかなユーモア、そしてリアルな恐怖。英国怪奇小説のお手本だね。砂に残る骨の足跡はモールデンも使ってたな。

2017/11/26

ハルバル

再読。「私が書こうと思っている話」を読むとアイディア先行型で、舞台背景などは後から考えるタイプだったんだな。未定稿の「暗合の糸」はアイディアだけでも凄く面白そうで、完成していたら新機軸だったろうに惜しいなぁ。「ホイットミンスター寺院の僧房」は箪笥の中に何が入ってたんだ!?しかも箪笥はそのままって何も解決してないよ(笑)「おかしな祈祷書」はフランネルのお化け!?が怖いけどユーモラスで好き。「猟奇への戒め」は英国を侵略から守る三つの王冠という設定が面白く、禁忌を犯した者を追いかけてくる亡霊といい傑作では。

2018/03/20

歩月るな

梟に話しかける姿がしばしば目撃されていたというジェイムズ氏。作品中も幾度か姿を見せ不気味な演出に一役かってくれていた。そしてついに梟が喋る。これは面白過ぎる。比肩するなら、探偵小説の界隈で言う所のノックス的な社会的地位で気ままに創作を行う姿勢がなかなか興味深い。前巻でも述べた通り怪奇小説と探偵小説は地続きであり、殺人が起こった結果として探偵が出張るのでは無く、怪異が現れ解決を齎す、それだけの違いに過ぎない。英語圏の読者にとっても原文をスラスラ読みこなすのは難しくなってきていると言う中で訳文は名調子だった。

2016/05/11

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