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タイタス・グローン (創元推理文庫 F ヒ 1-1 ゴーメンガースト三部作 1)

タイタス・グローン (創元推理文庫 F ヒ 1-1 ゴーメンガースト三部作 1)

タイタス・グローン (創元推理文庫 F ヒ 1-1 ゴーメンガースト三部作 1)

作家
マーヴィン・ピーク
浅羽莢子
出版社
東京創元社
発売日
1985-04-01
ISBN
9784488534011
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タイタス・グローン (創元推理文庫 F ヒ 1-1 ゴーメンガースト三部作 1) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

本書は『ゴーメンガースト』(Gormenghast)3部作の第1巻。もっとも、全3部で完結ではなくて未完とのことであるが。"ゴー"、"ガー"という濁音の響きがなんともおどろおどろしい。典型的なネオ・ゴシックらしい構想である。76代続いた伯爵家に待望の長男が誕生する。タイタスである。そもそも、この城自体が世界の浸食から自らを守る、いわば負の城塞である。それはどこにも開かれることなく、それ自体で自立する奇妙な存在である。この小説の世界は只管に暗い。そして、未来への予兆もまた限りなく暗いのである。

2019/12/21

ケイ

感想も何も、これは壮大なるひたすら長い序章でしかなく…。なんといっても、タイトル名の「タイタスグローン」が生まれて名付けられしばらくしたら終わり。その間にゴーメンガースト城主である父はいなくなり、様々な場所にいる召使いたちも入れ替わったりしているし、気のふれたような2人の双子の叔母も強い個性をはっきり示しているのだが。何かが起こりそうというところで終わってしまった。これは、三部作読むしかないだろう。1番気になるのはスティアパイク。どんな役割を担っていくんだろう。

2017/07/27

NAO

舞台となるゴーメンガースト城は、重苦しい石の集積物で、中に住んでいる人々もその重苦しく奇妙な外観と同じように、一人ひとりは超個性的ながら十年一日のごとき暮らしぶりを続ける古色蒼然としたな人々である。その城に次期当主となる男の子が生まれる。話のほとんどが旧態依然とした生活ぶりを描いていくのだが、変化をもたらす人物が現れ、当主が亡くなり、2歳のタイタスが当主となるところで物語は終わる。つまりこの作品は変化をもたらす人物タイタスの誕生と変化の兆しを描いているのだが、あまり続編を読みたいとは思わなかった。

2023/09/24

藤月はな(灯れ松明の火)

お正月休みに気になっていたシリーズに着手。画家でもあった著者自身が描いた挿絵も封入。まるで時が止まったかのような地に建っているゴーメンガースト城。そこに棲まう人々は地位を固定し続け、儀式を繰り返すことでその無限性を保ってきた。痘痕顔の台所下働き、スティアパイクが立身出世を望み、タイタスが生まれるまでは。いつも不機嫌顔なフューシャ姫が大変、可愛らしい。乳母さんの性格は確かにめんどくさい(笑)そして若さ故の人心把握、権謀術数によって前任者・邪魔者を排除するスティアパイクが不気味且つ、魅力的でもあります。

2017/01/03

KAZOO

三十年ぶりくらいの読み直しです。先日このシリーズの新しい本が出たので読みなおしています。重々しい感じがしますが、訳が比較的読みやすく正確なのでこの分厚い本も苦になりませんでした。このような世界をよくファンタジィ的な物語にまとめ上げたと思います。最初読んだときには、SF的なあるいは神々の世界の物語ではないかと思いましたが、今回はどちらかというとカフカの城を思い起こしてしまいました。

2014/07/04

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