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天使の牙から (創元推理文庫 F キ 1-11)

天使の牙から (創元推理文庫 F キ 1-11)

天使の牙から (創元推理文庫 F キ 1-11)

作家
ジョナサン・キャロル
Jonathan Carroll
浅羽莢子
出版社
東京創元社
発売日
2007-05-01
ISBN
9784488547110
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天使の牙から (創元推理文庫 F キ 1-11) / 感想・レビュー

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sin

すっかり忘れていたけどキャロルはいきなり足下をすくうってこと、この物語には最悪な死、その者が登場する。誰にとっても死は平等に訪れるといえるのだろうか?いや現実にはそんなことはない。しかし、この物語にようにその死が悪意を持って近づいて来たとしたら?そこに一筋の光でも見いだすことの出来る人間はいないだろう?だがキャロルは物語の最期にまるで釈迦がカンダタに与えたように一本の希望の糸を垂らしてみせる。後の解釈は貴方次第だと

2014/01/26

眠る山猫屋

シリーズ最後を飾るのは、人間と『死』の葛藤の物語。前作でも活躍した癌で余命幾許もない元TVスターワイアットは、死神と出会い、挑発される。怯えて死ね、死からは逃げられない、と。ただし正しく理解すれば何かを得られるとも。一方ウィーンに隠遁した女優アーレンは心惹かれる報道写真家と恋に落ちた。死神=天使は誰にでも姿を変え忍び寄る。幸福の絶頂から絶望の深淵まで叩き落とすキャロルの無慈悲。しかしこの二人が死神に選ばれた理由を考えてみたなら、万能なる天使と渡り合える一矢に気づける人間だったから?ささやかな抵抗の物語。

2018/08/28

星落秋風五丈原

「死にかけてるのってどんなものかって?もう生きてないんだ。バランス取ってるだけ」男は癌で余命幾許もないかつてのTVの人気者。「人生でほしいと思うものには必ず牙があるのよ」女は若くしてハリウッドを去り隠遁生活を送る元女優。男は死神から不思議な力を授かり、女は報道写真家と恋に落ちた…やがて二人は戦慄に満ちた邂逅をとげる。愛と死の錬金術師が紡ぐ傑作。

2011/01/31

koutaquarter

恋に幸せな女性の姿に頬を緩めたい? 小粋な言い回しに感心したい? 輝く希望に心躍らせたい? 冷たい絶望にぞっとしたい? 生について、愛について、死について、神について考えたい?―――それならこれを読むといい。『死』を前にした幾人かの人々の話。いや、もう、すっげえジョナサン・キャロルだわ、これ。登場人物たちに光を見せといて闇に突き落として、その上で光を探させる、見出させる。個人的な好みの上でベストかと言われれば首肯しかねるけど、それでも素敵この上ない。浅羽さんの訳も自然でとんがっててやっぱりいいなあ。

2012/11/30

eirianda

ラストは「要は人間、何かに集中できればそれが幸せ」ということだろうか? パスカルも『パンセ』でそんなこと言ってたような気がする……(違うか??)。個人的には『死者の書』よりこちらの方が嵌った。アーレン視点の描写が結構、グッとくる。著者がウィーン在住だけあって、異国に住んでいる時の言葉の感覚など心に染みた。欧米の作家って男性でも女性の心理描写描くのうまいなぁ……アーレンが恋に落ちていく描写を違和感なく読み、しみじみそう思う。

2014/01/12

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