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平成怪奇小説傑作集1 (創元推理文庫)

平成怪奇小説傑作集1 (創元推理文庫)

平成怪奇小説傑作集1 (創元推理文庫)

作家
東雅夫
出版社
東京創元社
発売日
2019-07-20
ISBN
9784488564063
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平成怪奇小説傑作集1 (創元推理文庫) / 感想・レビュー

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KAZOO

このアンソロジーは、数年前に創元推理文庫から紀田さんと東さんによる日本怪奇小説傑作集に引き続いてものという位置づけです。日本怪奇が明治・大正・昭和のものをまとめていますが今回は平成30年間を10年ごとに区切って3巻になる予定のようです。この1には15人の作家の作品が収められていて、吉本ばななさんから宮部みゆきさんまでです。和人それぞれに好みがあると思いますが、私はやはりなじみの日影丈吉、北村薫、皆川博子、夢枕獏、宮部みゆき諸氏の作品が楽しめました。

2019/08/13

藤月はな(灯れ松明の火)

令和元年に平成初期に執筆された怪奇小説を読めるなんて…。始まりの吉本ばななさんの「ある体験」からして只の編纂集ではないと伺わせる。何故なら、酒浸りの女というリアルさからかつての男を取り合う女達、水男という名の謂れ、コビトのイタコ、田中君の登場などと浮上していくからだ。しかし、中身は本当に好きだった人の喪失の痛みと爽やかでも切ない別れを描いている。そして生者の後ろめたさとしなやかな優しさが心にじわじわと沈み込んでいく。菊地秀行氏の「墓碑銘〈新宿〉」も愛し合っているのに同族ではないからこその夫婦の別れが切ない

2019/10/31

中原れい

毎日1篇、楽しく読んだ。平成年間に書かれた作品を1人1作あつめたというが、このボリュームが3冊になってるあたり、市民権を得たらしい怪奇小説の隆盛を見る嬉しさがある。普段読まない作者が圧倒的に多いのだが、どれもそれぞれ面白い。怪奇のなかで訳が分からず怖ろしい目にあうのがホラー、あれが原因でそれが祟ってこうなったって筋が強いのはテラー、なのかと思っているけど、どっちも好き。つぶやきもしたが、吉田知子さんの「お供え」は大層衝撃だった。宮部さん加門さん小池さんさすが。買って長らくおいてしまったが楽しんでいこう。

2021/03/17

sin

人生の過程で平成は昭和の延長でしかなかった。それが令和に代わってそのレッテルで区分けした中身が俄に意味を成して想われるのが不思議だ。ただこの本に色濃く昭和を感じさせられるのは元号は終わって始めて時代を染め上げ始めるからなのだろうか?吉本;新時代の予感、菊地;小手先、赤江;昭和の忘れ物、日影;小市民、吉田;シャーリーの『くじ』、小池;昭和の風景に平成の病、板東;あさまし、北村;女怖い、皆川;唐突に転調、松浦;永遠と云う恐怖、霜島;実話系、篠田;安直なディストピア、夢枕;因縁話、加門;独り語り、宮部;物語の力

2019/08/08

HANA

平成元年から10年までの間に発表された怪奇小説のアンソロジー。流石というか名だたる作者ばかりで、小説の面白みを十全に楽しむことが出来る一冊となっている。個人的には吉田知子「お供え」を怪奇小説として収録しているのが面白いかな。他にも三角屋敷って一時期あったなあと懐かしく思い出さされる霜島ケイ「家──魔象」や赤江瀑に日影丈吉、坂東眞砂子など今は亡き作者の作品も収録されており、ついほろりとなってしまいそう。ずいぶん昔に読んだ作品を再読していると、平成もいつの間にか遠くなってしまった、そんな気がしてしまうなあ。

2020/08/10

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