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武器としての「資本論」

武器としての「資本論」

武器としての「資本論」

作家
白井聡
出版社
東洋経済新報社
発売日
2020-04-10
ISBN
9784492212417
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武器としての「資本論」 / 感想・レビュー

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徒花

おもしろかった。ここ最近はマルクスの資本論関連の本をいくつか読んでいるけれど、そのなかでもへんな偏りがなくてバランスの取れた入門書に仕上がっている感じ。著者自身のちょっとした身の回りのこととか、最近の日本経済に絡めた具体的な話がちょいちょい挟まるので、カバーのいささかソリッドでスタイリッシュな印象よりも中身は柔らかい。最終的な結論としては、「資本主義的な価値観から脱却しよう」ということ。人間の感性、お金以外の豊かさを追求する姿勢の重要性が述べられている。

2020/12/15

tsu55

『資本論』は19世紀イギリスの資本主義社会をを分析したものだが、そのキモは現代にも通用する。 新自由主義によって「人間存在の全体、思考や感性までもが資本のもとへと包摂され」た現代人の生きづらさを克服するには、人間の基礎価値を信じて「感性の再建」をすること。うん、うん。 最近の若者の中には『男はつらいよ』のフーテンの寅さんが理解できないという人が多いのだという。そうなんだ。そんな世の中になってきているんだ。

2020/05/24

おたま

これはマルクス『資本論』の解説書ではなく、『資本論』の諸概念を使って現代社会を読み解いていこうという本。著者自身が「本書は『資本論』の入門書ではありますが、裏にあるテーマは「新自由主義の打倒」です」と述べているように、まさに眼前にある「新自由主義」の世界を、『資本論』を使って読み解き、その問題点を摘出し、乗り越えていく方途を探っている。「包摂」「剰余価値」「本源的蓄積」等の概念を使って「新自由主義」の非人間的な本質を暴露していく手際はさすがだと思う。私たちの「等価交換の攪乱・廃棄」という見方こそ必要だ。

2022/06/04

樋口佳之

労働価値説を自明とし、イデオロギー上の自立が大事ですって語っているのだと読みました。/「それをお金で買いますか?」っていう問いかけと、著者の語る結論の間にどれ程の違いがあるのかはわかんないな。/ビジネス書としての資本論みたいな本まである中、ストレートなタイトルは好印象だし、趣旨を読み取りやすい概説書でした。

2020/07/07

yutaro13

現代を生き抜く上で重要な『資本論』の概念を解説。私のような賃金労働者は一読の価値あり。技術革新が労働時間を減らさない理由がよくわかる。著者いわく本書の裏のテーマは新自由主義の打倒。新自由主義は資本家による労働者への階級闘争(ハーヴェイ)であり、資本による「包摂」が人間の思考・感性にまで推し進められたとの指摘は興味深い。この状況を打破するには感性の再建が必要であり、そのための武器となるのが『資本論』とのこと。スタンスは異なるが岩井克人氏が新自由主義からの脱却可能性としてカントの倫理学を挙げていたことを想起。

2020/07/25

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