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株式会社の世界史: 「病理」と「戦争」の500年

株式会社の世界史: 「病理」と「戦争」の500年

株式会社の世界史: 「病理」と「戦争」の500年

作家
平川克美
出版社
東洋経済新報社
発売日
2020-10-30
ISBN
9784492315323
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株式会社の世界史: 「病理」と「戦争」の500年 / 感想・レビュー

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koji

読み応え十分ですが、気をつけることは、本書の株式会社は公開会社であること。よって日本の大半の株式会社(所謂中小・零細会社)は対象外です。第1部は、「有限責任制、所有と経営の分離」が、オランダ東インド会社をルーツとしてどのように発展してきたかを辿るもの。第2部は、既刊「株式会社という病」を大幅に加筆修正して、株式会社の病理と原理を論ずるもの。法的・現代経済的な考察というより、歴史・宗教・哲学・古典経済からのアプローチであり、著者の体験(町工場で育ち、幾つかの会社を経営)が重みと深みを与えています。良書です

2022/07/12

ta_chanko

著者の集大成とも言える渾身の一冊。東インド会社からGAFAまでの株式会社の歴史を辿りながら、株式会社が抱える組織的・宿命的な病理を解き明かす。病理の根本原因は「所有と経営の分離」。広く大衆から資金を集め、大規模な産業を興して利益をあげ、労働者には賃金を、出資者には配当を配り、かつ新規事業や継続事業のために再投資する。出資者・経営者・労働者・消費者の誰もが利益に預かれるのは高度経済成長期などの限られた時期のみ。それ以外の時期は、この中の誰かが不利益を被る。とりわけ今は株主(出資者)の力が強くなりすぎている。

2021/02/20

羊山羊

株式会社の通史でないことには要注意!そのうえで読むと、株式会社を歴史的観点から眺めつつ、吉本隆明氏「共同幻想論」を援用して分析し尽くす迫力満点の1冊。著者の町工場出身という出自と知識ゆえか、昭和時代への強烈なノスタルジィが透けて見えるのは気を付けなければいけないが、株式会社×共同体という見方から「会社が永続してゆくという信仰」を見出したのは素晴らしい。そこから、株式会社という存在が他者の欲望に乗っかりつつも良き存在としていられなくなる過程を描き切る第二部はムネアツ!面白かった!

2021/12/30

はとむぎ

総供給が総需要を上回る時代。株式会社は、擬人化された法人として成長し続けることを目的とする。株式会社と世界の目的が合致していた時代が終わろうとしている。便利で自由で豊かになったけど、なんだかな~って。新たな時代ですね。

2022/06/26

青雲空

先進国だけでなく、途上国でも少子高齢化が進む21世紀。一方で気候変動がいよいよ待ったなしになる21世紀。 成長が止まる時代に、「成長」に過剰適応している株式会社は、どのような変貌を遂げていくのか、行かないのか。 どうも私は、あまり明るい未来は見通せないのである。

2020/12/23

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