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第三の道: 効率と公正の新たな同盟

第三の道: 効率と公正の新たな同盟

第三の道: 効率と公正の新たな同盟

作家
アンソニー ギデンズ
Anthony Giddens
佐和隆光
出版社
日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
発売日
1999-10-01
ISBN
9784532147716
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第三の道: 効率と公正の新たな同盟 / 感想・レビュー

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Nさん

1998年発表。本書は英国労働党ブレア政権の政治理念となった書だ。社会学的ジャーゴンはほぼ出てこない。社会学の泰斗による、社会学っぽくない真面目な記述。91年のソ連解体により社会主義vs資本主義という構図は崩れた。そんな90年代に提唱された「第三の道」とはいかなるものか。それは、資本主義内における、従来の福祉国家(社会民主主義)とサッチャリズム(新自由主義)の良いとこ取り?(公正+効率)のように言われている。だがそれに加えて、その両者が見落としている視点についても言及されていることに注目したい。(→続く)

2023/02/10

遠山太郎

新保守主義と旧式社民主義を越えるのが第三の道。グローバリゼーション・個人主義・左派右派・政治のあり方・環境問題の5つのジレンマについて、経済発展の原動力と帰結への監視・民主制度化された個人主義・生活の政治学社会的公正ー選択と保全中道左派へ・柔軟下位政治政府の再構成・リスクの引き受け活性。平等が自由を、自主性は広い社会的共同体で担保、万民平等に権利と責任を負い、参加による権威の再構築を求めよと回答。こう書くとカッコいいけどちょっと単調さや文脈のわかりづらさも・・ (たぶん旧左翼に向けてる?

2011/10/29

Saiid al-Halawi

ヨーロッパ型の社会民主主義はこの先どう振舞えば生き残れるのか、というのを提示した1冊。「往年の[強い国家]は、戦争への備えの万全な国家であった。現在、強い国家とは、国家主権を抑制する用意のある国家を意味する。」(p.215)

2012/07/23

ken

現在の資本主義の反動からリベラルな路線が主流になっている今でこそ再読すべき一冊。効率と公正のトレードオフは常に付きまとうアポリアなんでしょうが、そのあたりをうまく止揚した(といわれている)発想がギデンズの提唱し、ブレア、クリントンの経済政策の理論的根拠となった「第三の道」ということになります。効果があったかは疑問符が歌れているかもしれませんが、左右二元論的な発想から新しい解決策を模索しようとした姿勢は少なくとも倣われるべきものだと思います

2010/01/29

Ryosukem90

左派と右派の歴史的な展開とそれぞれの主張をたどりつつ、新しい左派の立場(第三の道)を取ることを提示した本。イギリス・ブレア首相の「ニューレイバー」の理論的後ろ盾となった。 新左派としての主張だけでなく、時代の変化に合わせて主張を進化させる考え方にも賛同せざるを得ない。ひるがえって、日本の左派にそのような思想的進化が見られないことは非常に残念。 両派の思想的展開を整理するにあたっては、ジョナサン・ハイとの道徳心理学が新たな視座を与えるのでは。

2016/08/27

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