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等伯 上

等伯 上

等伯 上

作家
安部龍太郎
出版社
日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
発売日
2012-09-01
ISBN
9784532171131
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等伯 上 / 感想・レビュー

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遥かなる想い

第148回(平成24年度上半期) 直木賞受賞  戦国時代、絵師として 七尾から京に上がる等伯。 その背景として、反信長で 連合する人達が割拠し、 雄大な物語となっている。 やや押さえぎみの文体が 逆に等伯の静逸さと強靭さを 引き立たせている。妻静子も 控え目だが、畠山家の夕姫の 存在が凛として彩りを 添えている。信長につく 狩野永徳と朝倉側の等伯。 絵師が戦国の世でどう生き抜 いたのか時代背景とリンクして 面白い。上巻では信長の死まで。狩野永徳とのからみは これから。

2013/08/09

あすなろ

絵に命と悟りを吹き込んで信長に勝つ。そして家族を大事にする。読書前と印象違え、快調に読み進んだ。もっと厳めしい作品かと勝手に想像していた。七尾から京へ、絵のため一途に邁進する信春。様々な苦節重ね、比叡山焼討はトラウマとなる。その中、才能の開花を積み重ねる。見守るそして守った家族の温かい眼差し。ラストが良い。絵師は、求道者である!この世の名利に目が眩んではいかん!勢い良く下巻へ進みます。なお、勉強になったこと多く、コメントに記します。また、オススメ頂いたcocoさん。確かに深みにはまっております。

2015/01/21

文庫フリーク@灯れ松明の火

【男子志を立てて郷関を出ず。学若し成る無くんば、死すとも還らず。骨を埋むる、何ぞ期せん墳墓の地。人間到る処青山有り】時は安土桃山、「人生五十年、化天のうちに比ぶれば夢幻の如くなり」織田信長が謡い舞った時代に、三十三歳にして能登から上洛した信春(等伯)。武家の野村家から、絵の才を見込まれ染物屋にして絵仏師の長谷川宗清の養子となったのは十一歳の頃。絵仏師として北陸で一流の評価を得ながら、狩野永徳の描いた屏風絵に衝撃を受け、都に出て永徳に負けない絵師になると決心する。志は、捨て切れぬ武家の血が招いた惨劇→

2013/08/02

修一郎

あの「松林図屏風」の長谷川等伯の一代記。時代がかぶる千利休伝を立て続けに読んだところなので,予備知識はバッチリ。上巻は仏絵師だった信春が能登から京都に出,堺に身を寄せるまでのお話。絵師として身を立てようと故郷を出た信春が比叡山の焼き討ちに遭遇して間一髪生き延び信長を第六天魔王と呼び毛嫌いしたことや,熱心な日蓮宗徒であったことが信春の絵と境遇に深く影響したことがよくわかった。戦国の世をスレスレで切り抜けるドラマチックな人生だ。上巻は史実の詳細が不明な分だけ自由に描いていることがうかがえて面白かった。下巻へ…

2016/09/25

藤枝梅安

日本経済新聞に連載されたからだろうか、等伯本人よりも時代背景や権力者の動向が中心。この時代を扱った小説にたびたび顔を出す近衛前久についての記述が多い点は興味深い。上巻の後半になってようやく「絵」の話が多くなり、狩野永徳が登場し、いよいよ下巻へ突入、という感じかな。山本兼一さんの「花鳥の夢」の後にこれを読むと、作風の違いが良くわかる。山本さんの作品の方が私の読書スタイルに合っている。

2013/06/30

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