読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

絲的ココロエ―――「気の持ちよう」では治せない

絲的ココロエ―――「気の持ちよう」では治せない

絲的ココロエ―――「気の持ちよう」では治せない

作家
絲山秋子
出版社
日本評論社
発売日
2019-03-05
ISBN
9784535563766
amazonで購入する Kindle版を購入する

「絲的ココロエ―――「気の持ちよう」では治せない」のおすすめレビュー

双極性障害からハラスメントまで――人気作家が自らの体験をもとに綴る、病とのつきあい方とは

『絲的ココロエ 「気の持ちよう」では治せない』(絲山秋子/日本評論社)

<人間は自分の意思では虫歯ひとつ治せません>――これは、小説家の絲山秋子氏が、精神の病に対して周りが甘えだの気の持ちようだのと理解のない言葉を投げかけてくるときに、自分に言い聞かせている言葉だ。

『絲的ココロエ 「気の持ちよう」では治せない』(日本評論社)は、『沖で待つ』『逃亡くそたわけ』などの作品で知られる人気作家・絲山秋子が、自らの病の経験をもとにそのつきあい方について綴ったエッセイだ。絲山さんは、1998年、31歳のときに双極性障害(Ⅰ型)を発症し、以来20年もの間病気とつきあい続けてきた。双極性障害とは、うつ状態に加え、それとは対極の躁状態がくり返し現れる慢性の病気である。その発症のメカニズムや治療法は医学的に解明されていない。患者自身はもちろん、医師ですらその正体をよくつかめていない病なのだ。そうであるならば、真っ向勝負を挑むのではなく、いったん丸ごと受け入れて、少しずつその特徴を理解したうえで徐々にコントロールしていく。本書にはそのための“ココロエ”が満載なのである…

2019/5/19

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

絲的ココロエ―――「気の持ちよう」では治せない / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

harass

レビュで気になり手に取る。数編の小説やエッセイで知っている作家だが双極性障害に長年苦しんできた体験と心構えを語るエッセイ。医学系雑誌に連載されていたもので、やや一般向けではないかもしれない。切実で誠実な人柄が反映されているのか非常に真面目。いろいろ唸る部分もあった。日頃からの自分の精神面の兆候を観察しないといけないようだ。

2019/07/20

抹茶モナカ

双極性障害で通院を続けている絲山秋子さんのエッセイ。自分の抱えている病気について、世間に啓発しようというのが大きな目標になっているというか、編集者側の注文なのか、病気の症状や病気になってからの生活の変化等、詳しく書かれている。絲山さんは、確か、うつ病だったかな程度の認識だったので、躁の状態の話に認識を改めた。僕自身、精神科に通院しているのだけれど、こんなガイダンスのような本を書けるまで自分を客観視するところまでは行けないうちに、薬漬けで死にそうな気がした。本自体は、精神病のことがわかる、読みやすい本です。

2019/06/02

pdango

『夢も見ずに眠った。』の、鬱の描写のリアルさに、ご自身の体験かなと思っていたところ、こちらを知って。双極性障害(躁鬱病)に長年苦しんできたご自身の体験が綴られている。病気について当事者がどのように感じているか知れてよかったのは勿論だが、誰にでもある、感情の波が強くきて陥る抑うつ状態を軽症にするヒントがあったように思う。

2019/09/01

しゃが

絲山さんご自身の長年の病である双極性障害Ⅰ型=「躁うつ病」の体験記だった。この病とどうつきあってきたか、服薬ゼロになった現在からみた心得のみならず、家族も含む医療の対応や社会の反応、環境の変化わかりやすく綴られている。そこから見えるものは加齢、発達障害、依存、女性性、ハラスメントなどにも繋がっていく。「健常者」と同じような「定形発達者」という語彙もあり、差別や区別への目線も鋭い、この目線があれば早晩社会の仕組みは変わっていくだろう

2020/04/08

ホークス

2019年刊。鬱と躁を繰り返す双極性障害の闘病記。小説やエッセイでは、理性的な著者の姿勢に好感を持ち、本書では勇気を感じた。具合の悪いときは判断を先に延ばし、傷ついた動物のように、エネルギーが戻るのをじっと待つ。完璧主義の悪循環に陥っていないか意識する。「気のもちよう」というワナに注意する。自分を決めつけず、固執しない。生物だから、脳を含めた身体には個性があるし成長もする。「○○らしくせよ」「普通にせよ」という言葉は選別の道具でしかない。発達障害は少数派じゃないのでは?という著者の問いにイエスと答えたい。

2020/07/18

感想・レビューをもっと見る