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ある家族の会話

ある家族の会話

ある家族の会話

作家
ナタリア・ギンズブルグ
須賀敦子
出版社
白水社
発売日
1985-12-01
ISBN
9784560042526
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ある家族の会話 / 感想・レビュー

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第二次世界大戦中のイタリアに住む、ナタリアの両親、兄弟、夫、友人達の日常を綴り、当時のイタリアの空気を缶詰に。空気なのに上手く缶詰に出来たのは、家族内ではみんなに通じる共通語(ラテン)を切り口にしているからだろう。食事の時に父親が文句を言う時の決まり文句は家族全員の共通の歴史資料で、そこには父親の価値観ひいては社会の流れも織り込まれている。一言の記憶がよみがえれば、食事をしたテーブルクロスの模様、兄弟の洋服、母の返事のイントネーション、召使の足音、等々数珠繋がりになんでも出てくるが、キチンと収まっている。

2016/08/31

三平

須賀敦子さん訳ということで手に取った。 「なんというロバだ、お前は!」気に入らないことがあると怒鳴りつける気難しい父親。そんな夫を立てながらお茶目さを失わない母親。 そんなイタリアの家庭に生まれた著者が過ぎ去った家族の時間を追憶する。 ひとつの家族の物語であるとともに、ムッソリーニ政権下及びドイツの侵攻で反ファシストのユダヤ人がどのように生きてきたのかも記している。あくまで家族の物語という視点から逸脱しないで書いているのが味わいを出している作品。

2018/11/07

泉を乱す

傑作、須賀敦子が自ら文を書きたいとあこがれたのはきっとこの作品があったからだろうな

2022/05/06

いっこ

『わたしたちのすべての昨日』を読んだ時、その文章の印象を「訥々と」語っていると感じたが、こちらはなめらかに心に入ってきた。訳者が違うと、同じ作家の作品でも、こんなにも違うのか。『ある家族の会話』はナタリア自身の、その家族の一員にだけ通じる会話で紡がれた家族の歴史。何気ない口癖が時代を映し、激動の時代を生きた家族の個性を語る。オリヴェッティ社の「人間の顔を持つ資本主義」という企業精神を育てたアドリアーノ・オリヴェッティもこの家族と繋がっていた。『わたしたちのすべての昨日』の物語の源がここにあった。

2018/12/08

...

家族を思い出した時、辛いことや楽しかったこといろいろあれど、最後には両親の笑顔が一番色濃く映るものなのだな。 読み難いわけではなかったのだけど、最後まで終えるのに時間がかかった。物語が長いわけでもない。直訳調だから、だろうか。

2015/12/05

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