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木のぼり男爵 (白水Uブックス)

木のぼり男爵 (白水Uブックス)

木のぼり男爵 (白水Uブックス)

作家
イタロ・カルヴィーノ
Italo Calvino
米川良夫
出版社
白水社
発売日
0000-00-00
ISBN
9784560071113
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木のぼり男爵 (白水Uブックス) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

12歳のある日の昼食でカタツムリ料理を断固拒絶したことを契機に、以後65歳まで一度も地表に降りることなく木から木に移動し、樹上で暮らし続けたコジモ。後に男爵を継承することになるので、人呼んで「木のぼり男爵」。なんとも人を食ったような発想である。最初は自然への回帰を謳うのかとも思ったが、そうでもなく荒ら草のジャンと共に書物に読み耽り、挙句はディドロたちと文通するまでの文人ぶりを発揮する。極めつけはナポレオンとの邂逅と、もうほとんどホラ話の域に踏み込んでいる。なんとも明るい荒唐無稽さだが、それこそが本書の⇒

2020/07/15

扉のこちら側

2016年363冊め。【179/G1000】12歳で木に登り、そのまま生活を始めたコジモ少年。その設定はコメディーのようにおもしろいのだけれど、日が暮れて一緒に遊んでいた子どもたちが岐路につくところだとか、初恋の少女との別れ、父親との死別等、切ないシーンがある。自分で登ったのだから、自分の意志で降りればいいのに、と。歴史上の人物や、他の小説の登場人物まで出てくるのがファンタジー的おもしろさ。

2016/05/28

KAZOO

昔読んだときは、なんでこのような作品を書くのかなあという感じでした。「まっぷたつの子爵」も同じような感じで奇妙な小説の部類ということで読んでいました。読み直してみると、風刺的な要素とか不条理性な世界についての批判のようなものを若干ながら感じ取れる気持ちになってきました。よくもこのようなことを細かに描かれていると感じています。

2015/08/28

zirou1984

寓話というのは現実に少しだけ非現実要素を持ち込む事で、現実に対する認識を相対化させることにある。ふとした癇癪で12歳の時に木の上に登って以来、半世紀以上もの間地に足を付けることなく生活した男爵の話。18世紀後半から19世紀へと入る動乱の時代を一歩離れた目線で語る事によって、混迷する現代をその射程に置くことに成功する。ルソーやヴォルテールと文通をしナポレオンと対面したかと思えば、トルストイの作中人物と遭遇するというのも現実と非現実の境目に意識的な故か。それにしても「私に登ったら?」という誘い文句はエロい。

2013/05/12

青春パッカパカス

「恋も革命も木の上で」という帯が印象的。食卓に出たカタツムリが嫌で木に登り、一生をそこで過ごした男コジモの奇想天外な一代記だ。ファンタジーな世界観だが、一方で歴史小説の一面もありナポレオン、ルソー、ヴォルテールなど実在の人物、挙句の果てにトルストイ小説のキャラクターまで現れる奇天烈っぷりだ。こういうところ、映画「フォレスト・ガンプ」と構造が似ているなぁとふと感じた。 コジモの強情さは爽快感があるが、そのために幸せを逃していく姿は哀れでもある。愛なんてそんなもの、とヴィオーラが教えてくれる。

2014/01/15

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