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語れなかった物語: ある家族のイラン現代史

語れなかった物語: ある家族のイラン現代史

語れなかった物語: ある家族のイラン現代史

作家
アーザル・ナフィーシー
矢倉 尚子
出版社
白水社
発売日
2014-09-23
ISBN
9784560083741
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語れなかった物語: ある家族のイラン現代史 / 感想・レビュー

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どんぐり

『テヘランでロリータを読む』の著者アーザル・ナフィーシーの家族の物語。母親との諍いと確執、最初の結婚と離婚、テヘラン市長だった父親の投獄、母親と父親の不和、イラン・イスラーム革命で追われた教職。革命は政治体制を変え、自由をもたらすはずが市民を神の使いと悪魔に色分けし、宗教は神の教えから一部のグループが叫ぶ思想的怒号へと変わった。英文学者のである著者にとって、イランは自由を奪うだけでもはや安住の地ではない。アメリカに亡命を果たした著者。自由を得ると同時に、二度と帰ることができない祖国に残した父親と母親の訃報

2017/08/27

ケニオミ

「テヘランでロリータを読む」という魅力的なノンフィクションの作家の作品です。「Things I've been silent about: memories」という意味深な原題の本書は、裕福なイラン家庭に育った女性のその母親との確執を描いています。無意識のうちに、自分に都合良く現実を解釈して平然としている母親。自分ができなかったことを実行する娘に嫉妬する母親。娘が文学に逃避するのは必然と思われる程歪な母子関係でした。歪なりに均衡を長年保っていたため、母親との絆も本書の感慨深い側面の一つです。お薦めします。

2014/11/14

tama

図書館本 どちらかと言うと家族の話。ママの話が延々と(それなりの理由があるにせよ)続き、イラン現代史は背景説明程度。それにしてもホメイニがやったことは恐ろしい。「表面では法律に従っているようでいて、実際には破っている。当局者や政府職員まで同じことをしている。政府も手の出しようがない抵抗だ。だがこのような形での不服従は、結局政府と国民のなれ合い・・相手に合わせて共犯者になってしまう。・・体制に屈するふりをする習慣のせいで、みなモラルに甘く、精神的に怠惰になっていた」 気を付けなくちゃ。腐臭がしだしてる

2016/05/28

Mana

イランで教育を受けた女性の話としてとても興味深かった。著者の家族史が中心だけど、両親が政治家だから社会情勢の変化をダイレクトに影響受けてる。母親との難しい母娘関係があって今の著者があるみたいだけど、個人的には父親への目線は随分甘い(甘すぎる)のも気になる。妻への態度を読んでて夫にもまったく問題が無いとは言えないと感じたし、娘名義の財産を後妻のために使うとか最低すぎる。

2017/07/24

KIKO

激動のイラン社会を背景にした、あまりにも壮絶な家族の記録。面白かったが、読んでいてちょっと疲れた。著者のお母さんの人格にかなり問題有なのは、育った環境を考えると同情するところもある。著者の両親は激しい愛憎をぶつけ合うが、おそらく相手が従順なら、早々に物足りないと思ったのではないか~レットバトラーとスカーレットのようなカップルに思える。著者と弟がこの家庭において比較的真っ直ぐ育って、最終的に幸せな家庭を築けてよかった。お母さんにも思い出以外に逃げ込める世界があれば違ったのかも~でも時代・世代の違いかな。

2015/02/11

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