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太陽の肖像:文集

太陽の肖像:文集

太陽の肖像:文集

作家
奈良原一高
出版社
白水社
発売日
2016-04-23
ISBN
9784560084960
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太陽の肖像:文集 / 感想・レビュー

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アキ

今年88歳逝去で初めて知った。世界的な写真家の文集。写真も素晴らしいが、味のある言葉が並ぶ。「無国籍地」から「人間の土地」「王国」に至る初期。欧州にて「静止した時間」スペインを題材に「偉大なる午後」、日本を写す「ジャパネスク」。1970年NYを拠点としMoMAに作品が収められた。「ヴェネチアの夜」の後、「円」「天」を発表。13歳の終戦から、彼にとってもうひとつの世界が始まる。写真は過去の記録ではなく、意識的無意識的に来たるべき未来を見るもの。モノクロの切り取られた世界はカメラを通じて奈良原の視点を写す。

2020/02/23

tom

著者は幸せ者。大学生のとき写真を撮り、それを組み合わせて個展を開いたことが、その後の写真家生活の始まり。今の時代に、このくらい幸運な人がどれだけいるだろうか。写真家志望の人たちからは、羨望と嫉妬のまなざしが飛んでくること間違いなし。掲載されてる写真も、とても美しい。こんな写真が撮れるなんて、ひたすらうらやましい。それはともかく、彼がアメリカにいたとき、ダイアン・アーバスのセミナーに参加したときの記録が載っていて、これがめっぽう面白い。セミナー参加は、自分の写真を見直すためとのことだけど、これもすごいなあ。

2020/07/04

Happy Like a Honeybee

写真とはunexpectedなもの。それまで培った技法を変えるため、当時は無名のダイアンアーバスと写真観を巡る経緯が印象的。ワークショップへ通学後、彼女は自殺を遂げる。存在を切り取る写真家と時空間を切り取る写真家。古今東西の優れた写真家も、いつかは消えゆく存在である。写真だけが後世へ語り継がれて…。

2016/12/17

mizzan72

奈良原さんの「消滅した時間」という写真集に心を動かされた。続いてこの「太陽の肖像」を手に取り、写真から受け取った、奈良原さんその人を少しでも感じたいと思って、読み進めました。文章が巧い。自分に正面から向き合って、もがいている人間が書く文章である。特に、ダイアン・アーバスのワークショップに参加したあたりのエピソードが、良かった。奈良原さんだけでなく周りに居る人々がそれぞれ、写真にどう向き合っているのかが感じられて、刺激になった。

2019/01/21

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