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断絶 (エクス・リブリス)

断絶 (エクス・リブリス)

断絶 (エクス・リブリス)

作家
リン・マー
藤井光
出版社
白水社
発売日
2021-03-25
ISBN
9784560090671
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断絶 (エクス・リブリス) / 感想・レビュー

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ヘラジカ

中国系アメリカ人の孤独と寂寥感に溢れた物語に、ロメロやマシスンのパロディをミックスさせた、ユニークで新しい移民文学。故郷や日常、消費資本主義や人間関係、あらゆる物事との「断絶」を抑制された筆致で丁寧に描いている。文明が静かに死にかけているというのに、プライベートな問題を切迫感のない文章で滔々と語る様が非常に印象的。中国由来の人を”生ける屍”へと変えてしまうシェン熱は、その発症条件(もしくは発症しない理由)を考えると、暗喩として裏に何があるかを想像できて面白い。大変好みな終末小説だった。

2021/03/25

星落秋風五丈原

新型コロナを先取りしたかのような中国から始まった謎の病で人々が死にゴーストタウンになっていく。ウォーキングデッドみたい。

2021/04/16

かもめ通信

“未知の病「シェン熱」が世界を襲い、感染者はゾンビ化…”という予告を目にして、読まず嫌いを発症しかけたが、訳者が藤井光さんだというので、おそるおそる読んでみたら、これがなんともすごかった。人類がほぼ全滅してしまった後の生き残りをかけたロードノベルでありながら、主人公の中国系アメリカ人女性の回想を通して語られる移民の、親子の物語であり、信仰を問う物語でもあると同時にグローバル経済の元での社会の矛盾をつきつける物語でもあって。読み応えたっぷり。

2021/04/21

のりまき

面白かった❗2018年発表だからコロナの前なんだけど、まるでそれを予見したかのようなシェン熱。熱病が蔓延し、徐々に無人となっていくニューヨークでそれでも出社し、日常を続けようとするキャンディス。中国移民で、故郷も言葉も両親も恋人すらも失った彼女にとって、ニューヨークは唯一の居場所だったのでは。他の生存者たちと向かった〈施設〉は「アイアムアヒーロー」を思い出した。生前の(まだ死んでないけど)行動を繰り返すゾンビ化した感染者はなんとなく切なくて愛しい。

2021/04/07

林田力

中国系米国作家によるパンデミック小説。中国が発生源の未知の病「シェン熱」が世界を襲い、人々は死に至る。6歳の時に中国からアメリカに移民した女性キャンディスが主人公。 新型コロナウイルス感染症を想起させるが、コロナショック以前の書籍である。物語は、ほとんどの人々が死に絶えた状況から始まる。主人公の半生を振り返る回想と交互に物語が進む。このため、コロナを念頭にしたパンデミック物という意識で読むと肩透かしになる。むしろ、主人公の半生は現代社会の生き辛さを描いており、私小説的である。

2021/04/14

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