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マーティン・イーデン (エクス・リブリス・クラシックス)

マーティン・イーデン (エクス・リブリス・クラシックス)

マーティン・イーデン (エクス・リブリス・クラシックス)

作家
ジャック・ロンドン
辻井栄滋
出版社
白水社
発売日
2018-09-19
ISBN
9784560099117
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マーティン・イーデン (エクス・リブリス・クラシックス) / 感想・レビュー

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ケイトKATE

ジャック・ロンドンが書いた非常に熱量の高い文章に引きこまれた。貧しい家庭に育ち船乗りの仕事をしていたマーティンは、上流階級の令嬢で教養が高いルースと出会う。ルースの美しさと文学への造詣の深さから、マーティンは一念発起して作家になるべく猛勉強していくが、現実は厳しく生活がままならない状況に追い詰められる。さらに、ルースが育った上流階級と、マーティン自身の労働者階級の違いにも苦しみ、ルースとの関係もこじれてしまう。ようやく苦しみの末に、マーティンは作家として成功するが、彼の心には焦燥感だけが残った。

2021/01/24

kazi

再読!ジャック・ロンドンによる半自伝的小説。やっぱり彼の作品は「迫力」がありますね~。アメリカ西海岸オークランドの船乗りマーティン・イーデンが、上流階級の娘ルースと出会い、その美しさと知性に感化される。ルースを手に入れるため、労働階級の生活に別れを告げ、独学による自己向上と作家としての成功を目指す・・。「一日4時間睡眠。寝ている時間は損失」。洗濯夫としての猛烈な労働のシーン。とかとにかく文章から放たれるパワーが凄いです!この苦境を乗り越えて絶対に成り上がるんだ、という鋼鉄の意志力!

2020/09/26

春ドーナツ

評伝によるとおんぼろ船(誇張抜きのマジな話です)で南洋航海している間に毎朝千文字せっせと原稿を書いていたそうだ。読みながら、深く考えたことは、小説家に対する認識の変化について。職業としなくても、実際に小説を綴り始めた時点で、その人は小説家なのだ、というとてもシンプルなことだ。世間に認められなくても、文筆せずにはいられないのだ。実際に一文字も記さなかったとしても、私たちには物語が必要なのだということ。後半にポッと出てくる(そして速やかに退場する)詩人(と一応説明しておこう)が痛烈な皮肉でもって教えてくれる。

2019/07/30

北風

ロンドンは好きな作家だ。労働者階級で教養のなかった粗野な男が、ミューズと出会い、作家を目指していく。独学で自分自身を高めていくのは、持って生まれた才能や努力が必要だ。彼の知性の高さには舌を巻く。彼は産まれた時代と場所を間違えてしまったのだ。けれど、その時代でなければ得られないものがある。彼にとっては手遅れであったかも知れないが、名声を手に入れられたのは、彼がその時その生まれだったからに他ならない。作家とは因果な職業だ。

2020/10/04

いちろく

紹介していただいた本。無教養だった主人公マーティン・イーデンが一人の女性との出会いをキッカケに、独学で教養を身につけ作家としての道を歩んでいく内容。著者の自伝的小説でもあったのですね。作家への道を進む中での苦悩や過酷さ、その果てに掴んだモノに関して、どうだったか? は読者の立場では何も言えない。正直、私には読了まで時間と期間を要し、機を見て少しずつ読み進めた本という印象。ジックリ味わえたのは、訳者が紡ぐ文章との相性が良かった点もある。

2021/09/17

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