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利休にたずねよ (PHP文芸文庫)

利休にたずねよ (PHP文芸文庫)

利休にたずねよ (PHP文芸文庫)

作家
山本兼一
出版社
PHP研究所
発売日
2010-10-12
ISBN
9784569675466
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利休にたずねよ (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

秀吉に切腹を命じられた利休のその心のあり様を若きころの恋と緑釉の香合を肌身離さず持つという描写により艶っぽく描いている。本書は第140回直木賞受賞作だが、文体がうまい。

2010/11/27

Atsushi

茶聖利休の若き日から切腹に至るまでが時を遡り複数の目で描かれる。木槿の花にあの人を思い出す。残された緑釉の香合とあの人の爪。叶わぬ恋が切ない。命よりも自らの美学を選んだ人生観は圧巻だった。感動の一冊。第140回直木賞受賞作。

2017/09/09

ちびbookworm

★4-4.5.直木賞選考委員として宮部みゆきさんが推した本作◆謎多い茶人、利休の生涯を描いた力作。小説の「仕掛け」が面白い。意表をつく◆物語の1話目は、利休の最大の謎、切腹の場面から始まる。あれ?どうしてなのか?となる。切腹の理由。利休の追求した茶とは?美の美とは?◆ここから、時計の針が逆巻く。各話、主人公が変わる。真の利休、核心へむかう。マトリョーシカ人形のように、とれば、中から核心が次々と現れるような、そんな入れ子構造である◆また本書は、茶室にいるかのような、「侘び茶」の美と静寂を感じられる一冊だ。

2022/02/26

射手座の天使あきちゃん

利休はなぜ切腹に至ったのか? 天正19年2月28日、千利休切腹の日から時を遡りながら、彼を取り巻く人達との関係の中から、原因を浮き彫りにしていきます。 人並み優れた人間力と審美眼を持った秀吉と利休、その才能に惹かれあい、やがて嫉妬と憎悪に・・・ 利休の貪欲なまでの美の追求のトラウマとなった事とは・・・ この作品は、人物描写(心理描写)が秀逸でしたね、満足の一冊です!。

2010/11/15

hit4papa

美の求道者 千利休の生涯を描いた作品です。本作品は、千利休の切腹前夜 70歳から、魚屋の道楽息子だった19歳の頃へ、時を遡るかたちで物語が展開します。冒頭の、利休が殺した女という独白、そして人の目に触れることすら忌避する緑釉の香合の謎が、ラストまで読者を引っ張っていくことになります。各章では、千利休と彼の周辺の人物が語り手となって、千利休という美の巨人が活写されていきます。秀吉が羨望し、嫉妬し、ついには潰えさせようと決意した超絶、唯一無二の美的感覚。五感に訴えるがごとくの著者の描写力には脱帽です。

2019/10/05

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