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天皇は本当にただの象徴に堕ちたのか 変わらぬ皇統の重み (PHP新書)

天皇は本当にただの象徴に堕ちたのか 変わらぬ皇統の重み (PHP新書)

天皇は本当にただの象徴に堕ちたのか 変わらぬ皇統の重み (PHP新書)

作家
竹田恒泰
出版社
PHP研究所
発売日
2017-12-15
ISBN
9784569837284
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天皇は本当にただの象徴に堕ちたのか 変わらぬ皇統の重み (PHP新書) / 感想・レビュー

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南北

帝国憲法では「天皇主権」だったが、日本国憲法では「国民主権」に変わったとするのが宮沢俊義の「八月革命説」だが、著者は戦前の憲法学者である、美濃部達吉、佐々木惣一、清水澄、上杉慎吉などの学説をを引用することで、これを完全に論破したと言えるだろう。本書は博士論文となる予定のものから一部を抜粋して書かれたものなので、いずれ博士論文として提出され、「完全版」として出版されることになるだろうが、そちらも出版されたら読んでみたい。本書での批判は憲法学の根底を揺るがすものだと思うが、憲法学者たちの考えを聞いてみたい。

2024/02/02

Kentaro

八月革命説の立場によると、帝国憲法から日本国憲法への変更は、神権主義から国民主権主義への変更があったとするが、ポツダム宣言自体にそのような要求は含まれていない。大日本帝国憲法が日本国憲法に移行した直接の原因は「ポツダム宣言の受諾」であり、GHQから日本政府へ発せられた数々の指令の法的根拠も、全てポツダム宣言に基づいている。よって八月革命により、主権が天皇から国民に移ったというのは誤りである。 欧州では歴史的に、君と民は対立関係であることが前提であったが、我が国では天皇と国民が対立関係になったことは無い。

2020/03/25

ちさと

社会的常識として教科書にも記述のある「象徴天皇の地位は戦後新設された」とする宮沢教授の法理(8月革命)を論破することで、日本国憲法の正統性の根拠を明らかにし、明治憲法と日本国憲法の連続性を証明することを命題としています。条文を細かく読み当時の運用を知れば、旧新憲法間で天皇の法的機能にさほど大きな差はなく、法学的意味における革命が起きたとは言えないと言う結論までの、著者の丹念な作業は評価に値する。博士論文を基にした本書は公式解説書の解読など難解な部分もありますが、一読の価値ありです。

2018/10/20

ゆきこ

憲法学界で通説となっている「8月革命説」に対して、詳細な反論を試みている一冊です。竹田先生の博士論文からの抜粋ということで、とても丁寧な考察がなされており、読み応えがありました。一般的に考えて、『今上陛下は「2代目」の天皇である』と思っている国民はかなり少数派ではないでしょうか。憲法学界がいかに浮世離れしているのかがよくわかります。私は竹田先生の見解に概ね賛成です。

2018/01/25

乱読家 護る会支持!

「西洋的観念でいえば、君と民は根本的に対立概念とされる。だから主権が君主の側にあるのか、民の側にあるかが問われる。 しかし日本の歴史上、天皇と国民が対立関係に入ったことは一度としてない。西洋的な主権概念を無理やり日本に当てはめて憲法議論をしてきたことが、今日の天皇と憲法をめぐる議論の混乱の元凶になっている。」 憲法学者は、歴史から学ぼうとせず、欧米の憲法概念を鵜呑みにして、日本人の価値観の断絶を本気で信じてしまった。 僕は、戦前の日本政府・日本人と、戦後の日本政府・日本人に断絶があるとは思えない。

2018/08/01

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