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いじめを生む教室 子どもを守るために知っておきたいデータと知識 (PHP新書)

いじめを生む教室 子どもを守るために知っておきたいデータと知識 (PHP新書)

いじめを生む教室 子どもを守るために知っておきたいデータと知識 (PHP新書)

作家
荻上チキ
出版社
PHP研究所
発売日
2018-07-13
ISBN
9784569840772
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「いじめを生む教室 子どもを守るために知っておきたいデータと知識 (PHP新書)」のおすすめレビュー

「自殺するくらいなら学校から逃げろ」の副作用とは? 客観的データにもとづいた「いじめ対策」

『いじめを生む教室 子どもを守るために知っておきたいデータと知識』(荻上チキ/PHP研究所)

「わが子がもし、いじめをうけたら…」と親なら一度は心配になる。いじめについての議論は収まらず、対策案はいくつも出されている。しかし、いじめがなくなる気配はない。なぜなのか。

 データをもとにいじめ対策を語っている本はとても少数だと嘆くのは、『いじめを生む教室 子どもを守るために知っておきたいデータと知識』(荻上チキ/PHP研究所)。本書は満を持して登場した、データをもとにした客観的いじめ対策本だ。

 どのようないじめ対策を講じるべきか。「いじめっ子を厳罰化する」「道徳教育でいじめを抑制する」というのはよく聞く対策だが、本書は、これら子どもの内面ばかりに着目した対策は「部分的かつ感情先行型」であり、効果は薄いと切り捨てる。

「自殺するくらいなら学校から逃げろ」という意見にも、半分賛成、半分批判のスタンスだ。この意見には副作用がある。

 つまり、学校から逃げた児童・生徒にはどういう手段で教育の機会が確保されるのか、という視点が抜けており、大人が「学校以外の教育オプシ…

2018/8/8

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いじめを生む教室 子どもを守るために知っておきたいデータと知識 (PHP新書) / 感想・レビュー

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テツ

田舎で生まれ育ったせいか、幸いにも身体もデカく気も強かったせいか、親はいなかったけれどいじめということにリアリティがない。学校という閉じた世界におけるいじめについての考察。データを用いてきちんと語られているので少しは学ぶことが出来た気がする。でも大人の世界だってそうした問題がゼロなわけではないんだよな。学校においていじめを少なくしていく方法なんて、警察官を常に置いておくことと、法を犯した瞬間に即座にしょっぴくくらいしかないのではないか。リスクとリターンを天秤にかける知能くらいはどんなこどもにだってある。

2019/08/03

sleep@芒羊會

 いじめは『不機嫌な教室』で行われる。・・・まぁ、一概にそうとは言えないけど、これはまぁうなずける。『いじめとは、ストレスの自己処理を上手く行えない者が他者を標的とするものである』って言うのは、私も以前にレポートで書いたから。ちょいちょい挟んであるデータも信憑性があるんだけど、家庭での対処法とかはないのかなぁ。問題の種が家庭に埋まっていることも結構あるよ、著者さん。(^◇^;)

2018/10/17

スリーピージーン

本当に今の教員はたいへんだなぁと感嘆です。最近はいじめが増えているとか陰湿化しているとか、漠然としたイメージに頼るのではなく、しっかりとしたデータ分析をしているところが本書の特徴でしょう。マスコミの取り上げ方でいかようにも印象は操作されます。冷静にデータを見つめ、精神論ではなく、具体的ですぐに実行可能な対策を、と著者は主張しています。考えなしの教師のいじりやクラスメイトが笑いをとるためのギャグなどがいかに深い傷を作るか、学ばなくてはいけない。明るく開放的で威圧感がなく自由度の高い教室作りが理想です。

2018/09/30

まゆまゆ

精神論や抽象論で語られることの多い子どものいじめに関して、これまで研究されてきた論文等に基づくデータを紹介していく内容。いじめの被害場所として最も多いのは教室である。いじめ対策として教育などの心理アプローチが当然必要だが、科学的根拠に基づく環境面からのアプローチも必要と説く。休み時間にストレス解消できないことが教室内のいじめを助長している可能性があるというのは分かる気がする。

2018/10/31

Satoshi

大津のいじめ自殺事件よりいじめ問題に取り組んできた著者による評論。小山田いじめ告白騒動がなんとなく腑に落ちなかったので、読んでみた。我々は「いじめは犯罪だから厳罰を!」とか「いじめられるくらいなら学校に行くな」とか簡単な発言をしがちだが、どれも根本的な解決でなく、被害者の人生への影響は消えない。解決が難しい問題ではあるが、LGBTなどハイリスク層への配慮、他者理解を促す教育、教師の増員などを地道に続けていくしかないのだなと思った。

2021/08/15

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