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灼熱

灼熱

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作家
秋吉理香子
出版社
PHP研究所
発売日
2019-07-25
ISBN
9784569843223
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「灼熱」のおすすめレビュー

「亡き夫のために、整形して憎い男の妻になりました」壮絶な復讐劇の結末は?

『灼熱』(秋吉理香子/PHP研究所)

 たったひとりの人物との出会いが、人生を焼き尽くしてしまうようなことがある。心や頭に焼印のように刻み付けられた存在を、人はどう慈しんでいけばいいのだろうか。『灼熱』(秋吉理香子/PHP研究所)は、読後にそんな想いに駆られる衝撃作だ。

 本作の著者はこれまで『暗黒女子』(双葉社)や『絶対正義』(幻冬舎)を手がけており、人の心に宿るドロドロとした闇をまざまざと描くプロ。その筆力は本作からも感じとれる。

■亡き夫の死を解明すべく、憎い男の妻に

 主人公の絵里は医者である久保河内英雄と入籍し、同居を始めたばかりだ。おいしい手料理を振舞い、仕事へ出かけていく英雄を見送る絵里は幸せいっぱいのように見える。しかし、絵里はこの結婚を通じて、誰にも言えないような復讐を遂げようと目論んでいた。

 彼女の本当の名前は実は別にある。ことの発端は1年前に起きた悲しい出来事。当時、絵里は忠時という男性と結婚し、幸福な生活を噛みしめていた。しかし、ある日、忠時がマンションのベランダから転落し、命を落としたことで絵里の人生は一変する。

 絵里はその事…

2019/8/12

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灼熱 / 感想・レビュー

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starbro

秋吉 理香子は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。良い意味で予想を裏切る展開、イヤミス度は低いですが、上質のミステリです。

2019/08/09

ウッディ

愛する夫を殺した犯人の証拠を掴む為、顔を整形し、名前を絵里と変え、医師英雄の妻となった咲花子。夫の優しさに触れ、穏やかな幸せに包まれ本当の目的を忘れそうになる咲花子の心の動き、夫が本当の自分の事を知られているのではないかという恐怖、そして最後に明らかになる真相など、よく練られたストーリーでした。心臓病の妹亜希子の豹変が多少違和感はあったものの、途中の伏線に気づかせずに、意外な真実に持って行った筆力は見事でした。色んな要素が詰め込まれたサスペンスで面白かったです。

2019/11/24

完全にタイトル負けしていると思いました。憎い男の妻となったのならもっと葛藤やドロドロとした気持ちが表現されているのかと思ったけれど割とあっさりしていて拍子抜けしてしまった。自分の期待が高過ぎたのかもしれない。でも、逆に葛藤とかが表にでてしまうと夫にバレてしまうのかな?とも考えました。もう少し主人公の内面の葛藤を描いて欲しかった。現実だったら憎い男の妻になるなんて考えられないですから。。。

2019/10/24

うっちー

秋吉さんらしい作品の中でもピカ1でした

2019/10/17

おしゃべりメガネ

さすが秋吉さんの作品で、とにかく先の展開が気になりすぎてアッという間にイッキ読みです。一見、何の弊害もなく幸せそうな「英雄」と「絵里」の夫婦ですが、実は「絵里」の本当の正体は「咲花子」であり、「咲花子」の夫を殺したのは「英雄」との疑いが。誰と誰が繋がって、本当に誰もが怪しく、真実を知り、語るコトができのは誰なのか、どんどん頁を捲ってしまいます。流れの中では正直、そんなにウマくいくかなぁと思わざるトコもありますが、それらを差し引いてもグイグイと引き付ける秋吉さんの筆力はある意味、圧倒的に凄まじかったです。

2019/08/17

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