君の××を消してあげるよ
「君の××を消してあげるよ」のおすすめレビュー
嫌なヤツは「非表示」にして消す! 街中に現れる「殺」の意味は? 青春ミステリー『君の××を消してあげるよ』
『君の××を消してあげるよ』(悠木シュン/双葉社)
面倒な相手からの連絡を指先ひとつで「非表示」にする。そんなスマホ世界での日常を、現実世界で実行できたら、どんなにラクだろうか。厄介な人とのやりとりをすべて目の前から消し去り、目をそらしたい。世の中の煩わしいもの全部「非表示」にして目の前から消すことができれば、もっと心地よく日常が送れるような気がするのに、現実世界はどうしてそんなに簡単にはいかないのだろう。どうして現実世界に悩みは尽きないのだろう。
『君の××を消してあげるよ』(悠木シュン/双葉社)は、世界を“非表示”にする青春ミステリー。作者・悠木シュン氏は、第35回小説推理新人賞を受賞し、『スマドロ』で作家デビューした人物。ミステリーを得意とする作者が描くからこそ、この作品は、青春の甘酸っぱさやほろ苦さを感じさせながらも、読み進めずにはいられないハラハラドキドキさせられるシリアスな展開が続いていく。青春には、悩みがつきものだ。将来の進路、大人たちとの軋轢、友人との関係、特別な誰かに抱く恋心…。そして、この物語の主人公は、過去の出来事にしばられ…
2019/6/18
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君の××を消してあげるよ / 感想・レビュー
よつば🍀
悠木 シュンさん、初読み。爽やかな青春物を想像していたら全くそんな要素はなかった。主人公はバトン部に所属する中学3年生の小笠原幸。地元のテレビ局がコンクールの密着取材に来る事が決まり、幸は退部を申し入れる。退部の本当の理由を教師にも友人にも明かす事が出来ない幸。幸がひたすら隠し続ける4年前の出来事が気になって一気に読むも、クラスメイトのカツアゲ事件、親友との仲たがい、クラゲという渾名の男子の葛藤など、要素が多過ぎてまとまりがない印象を受けた。文章自体は読みやすいが、肝心の事件がうやむやになった感じで残念。
2019/06/15
ましゃ
バトン部に所属する中学3年生小笠原幸。幸は事件にはならなかったが、4年前小学5年生の時に誘拐されそうになったという人には言えない秘密を抱えていた。田舎、学校という閉鎖空間で起こる出来事に対して、私達大人が子にしてあげられる事ってあるのだろうか。きっと、無い。信頼される大人になると共に相談された時、答えを言ってあげられる大人にならなければいけない。本書は青春ミステリと銘打ってはいるが、子供から大人になろうと必死にもがく、受験を控えた中学3年生というピリピリした年代をリアルに描いたヤングアダルト作品です。
2019/09/04
よっち
高校受験を控え、地元テレビ局によるコンクール密着取材を聞いてバトン部の退部を申し出た幸。誰にも言えない辛い秘密を抱える彼女が、同級生のクラゲと出会う青春ミステリ。父の再婚で家に居心地の悪さを感じ、学校でも親友と仲違いしてすっかり居場所を失ってしまった幸。そんな状況でふとした共感から同級生・クラゲの復讐に幸が協力する展開で、中学生の計画がそうそう思い通りに行くわけもないですが、自分の力ではままならない窮屈な絶望の中で、だからこそ自分の居場所があること、秘密を共有できる存在の貴重さを改めて痛感する物語でした。
2019/06/19
のりすけ
サクサクっと読了。重く辛い幸の過去。決して気楽ではない今の現状。描き方によってはものすごくドロッとしたおぞましいものになりそうなのを「なんとなく青春チック」に踏みとどまっている。そこが物足りなくもあり、救いであり。ラストはとても良かった。ウララといえば山本リンダでしょう(関係ないやん)。
2019/08/28
keith
バトン部に所属する幸は、地元のテレビ局が部の取材に来ることを知り退部を申し出る。幸にはそうしなければならない理由があった。青春ミステリーと銘打ってますが、爽やかな話ではなかった。
2019/07/07
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