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間宵の母

間宵の母

間宵の母

作家
歌野晶午
出版社
双葉社
発売日
2019-11-20
ISBN
9784575242256
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「間宵の母」のおすすめレビュー

歌野晶午『間宵の母』の後味がトラウマに……! 2つの家庭が崩壊した後に待ち受けるものとは?

『間宵の母』(歌野晶午/双葉社)

 また一作、しみじみ嫌な小説(褒め言葉)が誕生した。

 歌野晶午の新刊『間宵の母』(双葉社)である。

 歌野晶午といえば本格ミステリーの書き手として知られているが、本作は多少謎解き要素もあるとはいえ、純然たるホラーといってよい。しかも、スプラッタ、サイコ、心霊とあらゆる要素が詰め込まれた贅沢な(?)一作なのだ。

 4つの章から成るこの作品、各章で語り手となる人物は異なるが、話の中心には間宵家の母子三代が据えられている。

 数十年に及ぶ長い物語の引き金を引くのは、間宵紗江子の同級生である西崎詩穂だ。

 詩穂は、紗江子の家に招待されるのを心待ちにしていた。目的は、紗江子の継父・夢之丞の語るストーリーテリング。夢之丞は紗江子の母・己代子の10歳以上も年下の夫で、ハンサムで物腰柔らか、しかも話し上手ときているので、紗江子のクラスメイトやその母たちから絶大な人気を得ていた。特に、選ばれた女の子たちに披露するストーリーテリングは、聞いているうちに物語の登場人物が本当に目の前に飛び出てくると大評判だ。

 クラスメイトが次々と体験していく中、…

2020/1/11

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間宵の母 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

machi☺︎︎゛

真宵の母、巳代子がめちゃくちゃやばい奴だった。小学校が同じ真宵紗江子と西崎詩穂は親友だったけど紗江子の父親と詩穂は母親が駆け落ちした事でいろいろ歯車が狂ってくる。紗江子の小学校時代から大人になるまでの過程とそれに関わる人たちのホラーもありミステリーもありで面白かった。

2020/08/16

🐾Yoko Omoto🐾

間宵紗江子とは一体どんな人物なのか。彼女と関わった人間は、その薄気味悪い存在感に、あらぬ興味や好奇心を募らせるが、不可思議な現象と共に皆思いもよらぬ不幸に見舞われていく。浮気の果てに愛人と失踪した継父、錯乱した実母、彼女を取り巻く不気味な境遇にホラー要素をたっぷり染み込ませた後、ミステリとして納得のオチを用意している辺りは流石の一言。だが個人的にそこからのもう一展開は好みでなく、ミステリ作家の歌野作品というフィルターがオチを邪魔してしまったような読後感。これはホラーとして楽しむべき作品だった…。

2020/01/26

モルク

間宵紗江子の義父夢之丞は母己代子よりもふたまわり近く若くハンサム、おかし作りやゲームで子供たちにも大人気、当然お母さま方や先生までも虜にする。その夢之丞が紗江子の親友詩織の母と失踪する。そこから紗江子、詩織の悲劇と、母己代子の狂気が始まる。ホラー要素が満載のミステリー。間宵の家に関わった人々が次々とその狂気に巻き込まれる。そしてその真相が明らかとなった時、また新たなる狂気が始まる。胸くそ悪いが、先を読むのを止められない。

2020/01/15

ごみごみ

ファンタジーは悪夢だった。夢からさめることは出来るの?何十年にもわたる不幸の連鎖が止まらない理由は… 最終章での種明かし。確かに辻褄は合う。でも、あり得ない!妄想でも洗脳でも幻覚でもなくホラーだったってことでいいのかな。

2020/02/01

ちょろこ

そんなバカな…!の一冊。可愛らしいテンポでの幕開けにあら♪意外、と思いながらページをめくる。と、次第に不穏な空気に包まれた展開に。各章読み進めるごとに一体この物語の着地点は何なのか、どこなのか…明るさの一欠片もないまま読まされる。そしてとにかくザワザワが止まらない。何がどうなっているのか、やっと着地点が見えた時、そんなバカな…!ただひたすらその思いに心は支配された。終わらせることの大切さに戦慄が走る。これって…。やっぱり読後はそんなバカな…!と叫びたくなる。これは間違いなくホラーだ。

2019/12/16

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