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祝祭の子

祝祭の子

祝祭の子

作家
逸木裕
出版社
双葉社
発売日
2022-08-18
ISBN
9784575245530
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祝祭の子 / 感想・レビュー

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いつでも母さん

何が〈祝祭〉だ。何が〈刺客〉だ。ふざけるな!怒りと哀しみと虚しさで息切れしながら読んだ。子どもだもの洗脳されちゃうよね。あの頃の子供らに何の科があっただろう。そこが一番苦しいのだ。絵図を描いたのは誰?だが、起こしてしまった事実は変えられない。加害者であり被害者でもある。そして償いとは‥深い絶望は新たな殺意と加害者を生み出す。赦しとは‥〈褻〉(け)という怪しげな宗教団体の誕生から見えるものは私の記憶の中にある様々な事件を思い起こす。今も続いているようだ‥迷う人間は何かに縋りたいのだ。読後感は悪い‥

2022/09/23

パトラッシュ

生きていかねばならない国や社会に理想を踏みにじる泥まみれの生き方を強要されたなら、順応するか復讐を企むかだ。復讐する覚悟と能力のある者が方法を見つけてしまい、時間と金と労力を費やしてやり遂げようとしたら防ぐすべはない。その手段をカルト宗教に見い出し、子供たちを洗脳し大量殺人を犯す生きた報復の道具として日本に放ったのだ。同情すべき対象と排除したい悪を兼ね備えた鏡である<生存者>を前にして、誰もが醜く愚かで自分勝手な正義の仮面をむき出しにする。日本とは住む者を愛するのか、祖国たるに値するのかを重く問いかける。

2022/09/20

hiace9000

カルト集団〈褻〉で「祝祭」と呼ばれた大量殺人事件が起きて14年。洗脳により事件に関わりながらも、生き残り保護された5人の子供たちは、加害者であり被害者。不遇な生活を強いられる彼らの周りに、謎の刺客の魔手がー。誰が?なぜ? ひたひたと迫る緊張感、アクションシーンがありつつも暴走や飛躍を抑えた慎重なプロットの積み上げ、クラシック音楽場面では音との融合感すら匂わす文体等、作品づくりに実に巧さを感じる。終盤の落とし処の是非については評価が二分するだろうが、答えなき「加害と被害との関連性」への着眼は面白かった。

2022/11/23

さっこ

宗教団体のトップに軍事訓練を施され大量虐殺に手を染めた男女五人の子供たち。彼らは「生存者」と呼ばれ社会の中で息をひそめて生きてきた。14年後、謎の刺客に狙われ、再び五人は行動を共にすることになる。最初は面白く読んだのだけれど途中から少しテンポが悪くなったような気がする。サスペンスアクション。いまいちスッキリした真相ではなかったかな。

2022/10/23

ごみごみ

お前たちは〈祝祭〉をやるために生まれてきたーー文字通り「洗脳された被害者」であり〈生存者〉と呼ばれ過去に囚われながら生きる彼らに、最初は不気味さを感じつつ読んでいた。その感情がいつしか悲しみと虚しさに変わり、読み終える頃にはどうしょうもない憤りになっていた。あの女が生涯をつぎ込んだ計画。ただただ馬鹿げてるとしか言いようがない。フィクションだと分かっていても、地下鉄サリン事件を知った時の衝撃が蘇ってきて、恐ろしかった。苦手なサバイバル&アクションシーンが多く、読むのにとても時間がかかってしまった。

2022/09/23

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