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43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層

43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層

43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層

作家
石井光太
出版社
双葉社
発売日
2017-12-13
ISBN
9784575313239
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「43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層」のおすすめレビュー

なぜ「川崎中一男子殺害事件」は、世間の注目を集めたのか? 社会の闇を追い続けるルポ作家が、“現代社会のひずみ”を明らかにする

『43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層』(石田光太/双葉社)

 いくら時が経っても、忘れられない悲惨な犯罪というのがいくつかある。そのなかでも、未成年者が起こした犯罪は数が少ないことと、背景に複雑な事情があることが多く、私たちの記憶に鮮烈に残り続ける。

 2015年2月に起きた「川崎市中一男子生徒殺害事件」も、人々の記憶に残ってしまった事件の一つだ。

 多摩川の河川敷で、全裸の少年の遺体が傷だらけで発見される。のどかな島根県の西ノ島から、親の離婚をきっかけに川崎に転校してきた中学一年生の少年が、18歳と17歳の少年3人に殺害された。被害者の少年は、母親に引き取られて川崎に引っ越したが、母親に恋人ができたことや兄弟が多いことから、家庭のなかで居場所をなくし、不登校の後に悪い仲間と付き合うようになったことで事件にまきこまれてしまう。

『43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層』(石田光太/双葉社)のタイトルにある「43回」は、少年がカッターで全身に傷つけられた回数である。加害者少年も、最初は殺すつもりはなかったようだ。けれど、酒に酔って傷をつけ…

2018/1/12

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43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層 / 感想・レビュー

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修一朗

事件発生当時,事件現場の目と鼻の先に勤めていた。多摩川の河川敷の現場が窓越しに見え,毎日のように訪れていた場所だ。連中がつるんでいたたまり場もよく知った場所ばかりだ。隠岐西ノ島から川崎に移ってきた遼太の経緯や川崎で居場所を失っていった事情がなんとも衝撃的。どれか一つでも遼太の身に降りかからなければ彼は死ななかった。児相認定の虐待が離婚の原因でそのために遼太が島を離れることになったのだから母親側にも事情があったはずだ。父親が携帯を遼太に与えたからではなく。母親側からの情報が全くなかったのは残念。

2021/03/06

モルク

6年前の2月多摩川河川敷で43ヶ所をカッターで切りつけられさらに裸で川を泳がされて殺されたカミソンこと上村遼太君の事件を追ったノンフィクション。事件から1週間後未成年の3人が逮捕される。少年法に守られた3人の自己保身の言い分には虫酸が走る。両親の離婚で隠岐西ノ島から越してきた遼太。もし西ノ島にいたなら…。勿論遼太も窃盗や深夜徘徊等肯定できない行為もあるが、なぜ加害少年と親交をもち暴力を振るわれても一緒にいたのか本書でよくわかる。家庭環境により居場所を外に求めた遼太、西ノ島に残ったの父の慟哭が理解できる。

2021/05/18

fwhd8325

石井光太さんだから読みたいとも、ダメージが強くて読みたくないとも思います。この事件が報道されたとき、かなりの衝撃だったけど、見えなかったのが、被害者の少年の背景です。石井さんの著書は、そうした疑問を明らかにしてくれました。そして、思った通りダメージは強いです。加害者たちの心理は全くわからない。現実の世界をバーチャルな世界と錯覚しているようにしか思えない行動、言動にはうんざり。そして、彼らは時間が経てば、社会復帰するのだ。

2018/04/14

どんぐり

多摩川の河川敷で惨殺された「川崎市中1男子生徒殺害事件」のルポ。少年はなぜ殺されてしまったのか。少年はなぜ加害少年の遊び仲間となり暴力をふるわれながらも一緒にいたのか。家族や学校、地域社会はなぜそれを止めることができなかったのか。被害者と家族、加害者と家族、それぞれを取材するなかで事件の闇に迫っていく。家に居場所を失い、夜の町を流浪する少年たちがつくり上げた「疑似家族」の言葉が、重くのしかかる。

2021/07/01

読特

事件発生は2015年2月。まもなく5年を迎える。この本の発売も2017年12月。2年が経つ。 事件を知ろうとするには、少し遅すぎたかもしれない。それでも知ってよかった。 殺害現場である河川敷に供えられた大量の花束。いつの間にか設置された焼香台。大学ノートに書き残される慟哭。 「運が悪かった」実父の言葉は何故か説得力がある。 できることはあった。しかし、できないのが現実だった。 運命であったのかもしれない。 でも、現実は変えられる。もっと多くの人が問題を考えれば。

2019/12/02

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