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贖罪 (双葉文庫)

贖罪 (双葉文庫)

贖罪 (双葉文庫)

作家
湊かなえ
出版社
双葉社
発売日
2012-06-06
ISBN
9784575515039
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小池栄子が11年前にドラマで演じた『贖罪』をオーディブルで読む。湊かなえの名作と再会して生まれた「愛するとは?」という自問自答

 湊かなえさんによる自身3作目の小説『贖罪』。田舎町で起きた小学生少女殺人事件に関わった人々が15年後に悲劇の連鎖を生む本作は、デビュー作『告白』と同様に、章ごとに変わる登場人物の独白によって構成されている。

 本作が2012年にドラマ化された際、子供の頃からしっかり者で教師になった真紀役で出演した小池栄子さんの朗読により、Amazon Audibleが配信されることが決定した。本記事では、11年ぶりに『贖罪』と再会し、登場人物5人の独白をすべて1人で朗読した小池さんにお話を伺った。

(取材・文=立花もも 撮影=金澤正平)

――『贖罪』は、15年前に起きた小学生少女の殺人事件をめぐる5人の女性の物語です。殺された少女の母親が放った「あなたたちを絶対に許さない」という贖罪を強いる言葉を受けて、殺害の直前まで少女と一緒にいた四人の同級生たちがどのような人生を歩んだのかを描きだします。

小池栄子さん(以下、小池) 人間の感情に正解なんてないんだな、ということを改めて思い知らされる小説でしたね。少女の母親……麻子さんがどういう思いでその言葉を口にしたか、とい…

2023/6/28

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放たれたひとつの言葉が、少女たちの運命を左右するーー『贖罪』/佐藤日向の#砂糖図書館⑤

『ハンズアップ』という舞台が、無事に千秋楽を迎えた。 『ハンズアップ』は、現代社会とリンクする題材を描いていて、台詞の一つ一つが、観劇頂いたお客様に色濃く残っていることと思う。 だからこそ、自分が発信する言葉は、たとえ役を通したものだとしても、責任を持って届けたいと強く思った。   今回紹介する湊かなえさんの『贖罪』は、まさに言葉の影響力によって人生を狂わされてしまった4人の女性と、その引き金となった、とある母親の話だ。   空気が綺麗な田舎街に住んでいた4人の少女は、東京からやってきたエミリちゃんという美少女の存在によって、普通だと思っていたことが普通ではないのだ、と気づき始める。 可愛い洋服を自由に着れる権利、家族の愛情、欲しいと望んだらなんだって手に入る財力。 しかし、エミリちゃんは、彼女たち4人と校庭で遊んでいる時に、殺害されてしまう。 負の連鎖は、ここから始まった。 エミリちゃんの母親が、「あなたたちを絶対に許さない。必ず犯人を見つけなさい。それができないのなら、わたしが納得できる償いをしなさい」と4人に言ったこと…

2020/11/28

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贖罪 (双葉文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

エドガー賞の候補になったので読んでみた。湊かなえ氏は初読。5つの連作短篇と終章から構成。最初は芥川の「藪の中」のような手法なのかと思ったが、どうやらそうではなく、この作品独自の構成法である。小説は、1つの事件を核として、それに関わった4人の少女たちの、その後の15年の軌跡を追ってゆく。水面に投じられた石が波紋を周縁に広げてゆくかのように。そして、その際の核心の位置にいるのが麻子であり、その正体は2作目くらいで明らかになる。この手法もまたなかなかに見事。ただ、あえて言えば犯人像には難点を感じなくもない。

2018/04/29

遥かなる想い

『告白』でブレークした湊かなえの小説。15年前の同級生殺害の事件を引きづりながら生きてきた4人の女性の物語を悲劇の連鎖風に描いていくが、最終章が少し物足らない。

2012/10/02

さてさて

『おじさん、プールの更衣室の換気扇の点検に来たんだけど…誰か一人手伝ってくれないかな』というきっかけの先に残された4人。悲しい光景を前にした4人が手分けしてとった行動、役割、それによって彼女達にそれぞれの後遺症を残す様が描かれるこの作品。怒りが頂点に達してコントロールできなくなり、取り返しのつかない行動として現れてしまう、それがまた次の怒りの感情を生んでいく負の連鎖。そして、書名の『贖罪』の人生を生きる人達を見るこの作品。負の連鎖の先にある人生の恐ろしさと、『贖罪』という言葉が強く印象に残った作品でした。

2022/04/03

風眠

(再読)何もない田舎町。そんな町で起こった美少女殺害事件。事件に巻き込まれた4人の少女達は、どうしても犯人の男の顔を思い出せない。殺害された少女の母親は哀しみのあまり、ある言葉を少女達に投げる。フランス人形、小学校児童傷害事件、兄の継子への性的虐待、不倫そして妊娠。あの母親の言葉がトラウマとなり4人の人生は大きく狂っていく。負の連鎖、人間のおぞましさ。湊かなえ作品にしてはきれいに繋がった連作集だったが、もやもやが残らないのも何だか物足りないような。黒沢清監督のインタビュー収録も文庫ならではの嬉しいオマケ。

2015/06/07

射手座の天使あきちゃん

湊流って言うのか独特のスタイルが確立されましたねぇ、一気に話に引きずり込む表現力は流石!(笑) 15年前の田舎町で起きた少女殺害事件、被害者の母親と目撃者の少女4人は哀しい怨嗟のスパイラルダイブに落ちて行きます・・・ うーん、そろそろ新しい湊さんに出会いたいですぅ(笑)

2012/08/16

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