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切願 自選ミステリー短編集 (双葉文庫 な 30-04)

切願 自選ミステリー短編集 (双葉文庫 な 30-04)

切願 自選ミステリー短編集 (双葉文庫 な 30-04)

作家
長岡弘樹
出版社
双葉社
発売日
2023-03-15
ISBN
9784575526493
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「切願 自選ミステリー短編集 (双葉文庫 な 30-04)」のおすすめレビュー

甲子園地区予選の裏で起きた自転車盗難事件。事件の裏に隠された切なる願いを集めた長岡弘樹の自選短編集『切願』

『切願 自選ミステリー短編集』(長岡弘樹/双葉文庫)

 どっしりとした重厚な長編ミステリーもいいが、技巧の光る短編ミステリーで「そうきたか!」の驚きを味わいたい。そんな人におすすめなのが『切願 自選ミステリー短編集』(長岡弘樹/双葉文庫)。2003年のデビュー以来、120編以上もの短編を発表してきた著者が「これぞ」と自負して選び抜いた5編は、どれも期待を裏切ることがない。さらに小説推理新人賞受賞作を初収録した全6編となっている。

 切願、というタイトルが示すとおり、どの作品でも描かれるのは、事件解決の裏でこぼれ落ちてしまいがちな、誰かの切なる願いだ。たとえば息子を殺されてしまった母親の無念。自分の命に代えても生きていてほしいと願う、大切な人への愛。それは、犯人逮捕の緊迫感に比べたらささやかなものかもしれない。社会に問うような意義も、ないかもしれない。それでも、作中で描かれる、人生をかけて何かを成し遂げようとする人たちの想いと、それに関連する謎が、読み手の心にも突き刺さる。

 なかでもNHKでオーディオドラマ化された「迷走」は秀逸だ。著者自身、かなり気…

2023/3/23

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切願 自選ミステリー短編集 (双葉文庫 な 30-04) / 感想・レビュー

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いつでも母さん

長岡さんの自選ミステリー短編集6話。どれも何となく読んだ記憶がある中で、最後の『真夏の車輪』は初めて。イラストのように見えるカバー写真は長岡さんの仕事場だそうです。へぇ~と二度見三度見の私(笑)あとがきもお人柄が伝わり、メモ取りは四面の壁のホワイトボードにというのが親近感。

2023/04/13

初美マリン

読友さんのレビューを読んで。出来過ぎですよと迷走の救急隊員には思ったが。苦い確率が面白かった。ちょっと視点がことなり、新鮮でした。

2023/05/17

タイ子

長岡さんは短編の名手だと改めて思う。1作品を除いて全部既読なのだが、忘れているのもあるので面白く読める。中でも一番楽しみにしていたのが「真夏の車輪」。過去の長岡作品の中でタイトルは知っていても読むことのできなかった作品なのでやっと初お目見え。あとがきで書いてるように本人の体験に基づく話だったんですね。何度読んでもどれも堪能できる短編集6作品。

2023/04/14

さっちゃん

短編の名手の自選短編集。『小さな約束』『わけありの街』『黄色い風船』『苦い確率』『迷走』『真夏の車輪』の6編。うち『真夏の~』は新人賞の受賞作を加筆修正したもので今回が初のお披露目。巻末の各作品の自作解説が嬉しい。表紙のカバー写真は長岡さん自らが撮影したご自身の仕事部屋。NHKのネコメンタリーに登場した、四方を大きなホワイトボードに囲まれたあの部屋です。/さすが粒ぞろいの短編集。一般的には『教場』のイメージだろうけど、短編でピリッとバシッと決めてくれる稀有な作家さん。既読多めでも改めて名作揃いと納得。

2023/06/29

よつば🍀

「小さな約束」「わけありの街」「黄色い風船」「苦い確率」「迷走」「真夏の車輪」六話収録の短編集。装丁はご本人が撮影した仕事場のお写真。椅子の上のクッションが可愛い。『短編の名手』として名高い長岡さんだが、著者厳選の短編集という事で面白くないわけがない。突飛な設定もなんのその。リーダビリティの高さで一気に読ませてくれる。毎回ミステリの謎解き部分も楽しみだが、物語の中に血が通っていて人間味を感じられるところがいい。今回、初収録となった「真夏の車輪」は第25回小説推理新人賞受賞作品。ドキハラの展開で面白かった。

2023/09/09

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