KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

この世界の片隅に (上) (アクションコミックス)

この世界の片隅に (上) (アクションコミックス)

この世界の片隅に (上) (アクションコミックス)

作家
こうの史代
出版社
双葉社
発売日
2008-01-12
ISBN
9784575941463
amazonで購入する Kindle版を購入する

「この世界の片隅に (上) (アクションコミックス)」のおすすめレビュー

映像を見たあとだからこそ味わえる! 『この世界の片隅に』「海苔を干すシーン」に見る“マンガ的表現”

 人はどんなときでも食べて働いて眠り、生きていく。そんな日々の中で誰かを好きになり、愛おしく感じる。たとえそれが「戦争」という非常時だったとしても――

 ドイツ・ポーランド不可侵条約が締結された昭和9(1934)年1月から(条約は1939年に破棄されてドイツはポーランドへと侵攻、これが第二次世界大戦の発端となった)、昭和天皇が詔書でいわゆる「人間宣言」をした昭和21(1946)年1月という時代を舞台に、よく「人からぼうっとしている」と言われ、絵を描くことが得意なすずを主人公とした『この世界の片隅に』(こうの史代/双葉社)。広島・江波の海苔養殖を営む家に生まれ育ち、呉にある北條家の長男・周作のもとへ嫁いだすずが、日々を生きる姿を描く作品だ。

 本作は『漫画アクション』に2007年から2009年まで連載され、2011年に北川景子主演でスペシャルドラマ化された。2016年には片渕須直監督によってアニメーション映画となり大ヒットを記録、映画はロングランを続けており、2018年12月には新たな約30分の場面を追加した『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の…

2018/8/20

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

「この世界の片隅に (上) (アクションコミックス)」の関連記事

「この世界の片隅に」の世界観を再現! 昭和のくらし博物館で開催中の企画展が大好評

『この世界の片隅に』上巻(こうの史代/双葉社)

 昭和の一軒家を利用した「昭和のくらし博物館」にて、映画「この世界の片隅に」の展示企画「すずさんのおうち展」が開催中。複製原画展示や北條家の部屋を再現したコーナーが設けられ、「タイムスリップしたみたいで楽しい!」と大好評だ。

 同作は、こうの史代の漫画を原作としたアニメ映画。戦時中の広島に嫁いだ少女・すずが、嫁ぎ先の北條家で日々を懸命に生きる姿が描かれている。映画は2016年に公開され、ファンによる口コミで瞬く間に大ヒット。

「昭和のくらし博物館」は、昭和26年建築の庶民住宅を家財道具ごと保存・公開している博物館。お茶の間や書斎、台所、座敷、子ども部屋など、当時の暮らしがそのまま再現された貴重な施設だ。「すずさんのおうち展」では、複製原画や映画の資料コレクション、監督補・浦谷千恵による描き下ろし水彩画など貴重な作品を数多く展示。土間や台所、座敷ではまるですずが生活しているかのような風景が再現され、「映画に出てくる物に気付く度に嬉しくなった」「すぐ隣にすずさんがいるんじゃないかと思わされる」「住みたくなる…

2018/11/14

全文を読む

「最強感がすごい!」 ドラマ「この世界の片隅に」キャスト&スタッフ解禁に大反響

『この世界の片隅に』上巻(こうの史代/双葉社)

 7月から放送される連続ドラマ「この世界の片隅に」のキャスト・スタッフが解禁。ドラマ化発表で大きな注目を浴びていただけに、ファンからは「期待値が爆上がりした!」「かなり“本気度”の高いドラマ化だな」と大反響が巻き起こっている。

 同ドラマはこうの史代の同名マンガが原作。太平洋戦争真っ只中の広島を舞台に、嫁ぎ先の北條家で暮らす“すず”のかけがえのない日常を丹念に描く。2016年には片渕須直監督によってアニメ映画化され、ロングランヒットを記録した。

 戦下を自分らしく前向きに生きるヒロイン・すずを演じるのは、約3000人のオーディションを勝ち抜いた松本穂香。すずの夫で、手を取り合いながら激動の時代を生き抜いていく北條周作役には松坂桃李が決定した。ほかにも、尾野真千子・田口トモロヲ・伊藤蘭といった演技派が集結。

 演出を務めるのは、「カルテット」「逃げるは恥だが役に立つ」といった話題作を手がけてきた土井裕泰。「ひよっこ」などでかけがえのない日常を丹念に描いてきた岡田惠和が脚本を担当する。また、音楽には宮崎駿作…

2018/5/13

全文を読む

関連記事をもっと見る

この世界の片隅に (上) (アクションコミックス) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

海猫

ほのぼのとした雰囲気や絵の淡さには漫画を読む喜びに溢れているが、とても儚く脆いものに見える瞬間がある。戦時中の広島を描いているからこそ悲しい予感を察してしまうが、そういった時代背景抜きにしても優れた内容ではなかろうか。なにか二度と帰ってくることのない、かけがえのない時間を切り取ることにとても長けた手腕を感じた。続けて読んでいく。

2016/11/17

bookkeeper

★★★★★ ケーブルTVで映画が放送されて、感動したので原作を急遽入手。アニメは原作にかなり忠実なのだが、入れきれなかったエピソードがあり、新たな気づきもあった。 すずさんは人喰い鬼や座敷童、波の兎など現実とイマジネーションの境界をごく自然に往き来する、とても大らかで愛らしいキャラだ。 ほとんど面識の無い人に嫁ぎ、翌朝から家事をフルでこなす。ストレスが多くて大変だろうが、それでもかけがえのない日常なんだね。結末を知っていても応援せずにはいられない。 第1話から最終回まで、約2年なんだね…

2018/04/14

またおやぢ

世界の耳目を集める事件の起こる前、本当にこの世界の片隅で一生懸命に生きていた人々の生活や想いを丹念に柔らかい線で描ききった一冊。今を懸命に生きることこそが、人間の幸せなのかもしれない...それが悲劇に繋がっているとしても。

2016/12/01

えちぜんや よーた

小学校や中学校で「戦争」を教わったときは、「悲惨な体験」、「一般国民は踊らされた」、「戦後は違う」というイメージを植え付けられすぎたような気がする。日常生活が淡々と続いていることに今も昔も変わりない。学校で教わった固定観念は「エラいさんの上から目線」にすぎなかった。北條すずさんの口癖は「うちゃー、よーぼーっとしとるけー」(広島弁)だけど、毎日生活していると大なり小なりそんなもんだろう。そんな日常にたまたま「戦争」が乗っかってきただけ。だからこそクラウドファンディングで映画になるほど支持が集められたと思う。

2017/01/15

s-kozy

本巻は昭和9年1月〜19年7月まで。主人公・北条(旧姓・浦野)すずは絵を描くことができる。広島から軍港呉へ嫁いできた。淡々と積み重ねる日常、嫁としての立場の弱さ、すずは広島の街を描き残す。そして、大きくなる戦争の影。それでも積み重ねる夫婦としての日常。人は生きていく。

2017/02/21

感想・レビューをもっと見る