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この世界の片隅に (中) (アクションコミックス)

この世界の片隅に (中) (アクションコミックス)

この世界の片隅に (中) (アクションコミックス)

作家
こうの史代
出版社
双葉社
発売日
2008-07-11
ISBN
9784575941791
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「この世界の片隅に (中) (アクションコミックス)」のおすすめレビュー

映像を見たあとだからこそ味わえる! 『この世界の片隅に』「海苔を干すシーン」に見る“マンガ的表現”

 人はどんなときでも食べて働いて眠り、生きていく。そんな日々の中で誰かを好きになり、愛おしく感じる。たとえそれが「戦争」という非常時だったとしても――

 ドイツ・ポーランド不可侵条約が締結された昭和9(1934)年1月から(条約は1939年に破棄されてドイツはポーランドへと侵攻、これが第二次世界大戦の発端となった)、昭和天皇が詔書でいわゆる「人間宣言」をした昭和21(1946)年1月という時代を舞台に、よく「人からぼうっとしている」と言われ、絵を描くことが得意なすずを主人公とした『この世界の片隅に』(こうの史代/双葉社)。広島・江波の海苔養殖を営む家に生まれ育ち、呉にある北條家の長男・周作のもとへ嫁いだすずが、日々を生きる姿を描く作品だ。

 本作は『漫画アクション』に2007年から2009年まで連載され、2011年に北川景子主演でスペシャルドラマ化された。2016年には片渕須直監督によってアニメーション映画となり大ヒットを記録、映画はロングランを続けており、2018年12月には新たな約30分の場面を追加した『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の…

2018/8/20

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こうの史代「毎週見守りたいです!」『この世界の片隅に』連ドラ化に大反響

『この世界の片隅に』上巻(こうの史代/双葉社)

 こうの史代『この世界の片隅に』がテレビドラマ化されることが決定。アニメ映画で話題になった同作が連続ドラマになるとあって、世間からは「びっくりしたしめっちゃ楽しみ」「すずは誰が演じるんだろう!」と注目を集めている。

 同作は太平洋戦争の真っ只中である広島を舞台に、平凡に生きるごく普通の女性・すずの人生を描いた物語。2016年には片渕須直監督によってアニメ映画が製作され、「言葉にならないくらい深い感動を味わった」「戦争の悲惨さだけでなくその中の日常が丁寧に描かれている」「どんな苦労をしても前向きに生きようとするすずさんに生きる大切さを学んだ」と、絶賛の声が後を絶たない大ヒット作品となった。

 ドラマ化の情報は2018年3月20日(火)発売の『漫画アクション』7号で発表され、誌上にはこうのからのコメントも掲載。こうのは「連続ドラマは、連載漫画ととても近い形の映像化だと思います」「すず達の日々を、皆さんと一緒に笑ったり泣いたりしながら毎週見守りたいです!」と読者にメッセージを送っている。

 アニメ映画ではすず…

2018/3/30

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この世界の片隅に (中) (アクションコミックス) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

海猫

その時代に生きているかのように錯覚させるほどの細部の描き込み。またそれが情報としてではなく、活き活きとし豊穣で時にはアイロニーさえ見せる。価値観の違う時代の生活が真に迫るので、それが開放感に感じられたり、締め付けられるような閉塞感にも思えたりもした。次の下巻へ。

2016/11/17

bookkeeper

★★★★★ 中巻ではリンさんと知り合い、水原さんとつかの間の再会をし、呉にも空襲があるなどいくつかの大きな転換点が。 蟻よけに失敗して砂糖を失ってしまったり、着物を断ち間違えて落ち込んだり、ふふっとしてとても優しい気持ちになる表現が一杯。すずさんが長いものを持ったら、周りの人が出来るだけ近づかないのも楽しい。 一方で、すずさんを見送った後のリンさんの佇まいや水原の寝所にあんかを届ける場面など、言葉にできない情緒が。 「しみじみニヤニヤしとるんじゃ!」は読む度のんさんの声がはっきり聞こえる。

2018/04/14

えちぜんや よーた

夫婦といっても北條すずさんは18才で周作さんは22才。お互いの男女関係についていろいろ詮索が巡りますわな。見かけ上どのページを開いても戦時中でカーキ色っぽいけど、登場人物の心情風景は見事に色鮮やかです。ただ、まだ中巻だけあって、すずさんは「この世界の片隅」の片隅にも自分の居場所を見つけられていないような気がする。「ヨメの仕事」が自分の本当の居場所じゃないよ。これからの試練で「片隅」を見つけられるんだよ。と、おっさん目線で突っ込んでしまったw

2017/01/15

s-kozy

中巻は昭和19年7月から20年4月まで。呉の地にも戦争の影が濃く覆いかぶさって来る。それでも季節は巡り花は咲く。胸に去来するは「今生の別れか」という思い、その思いを胸に秘めながら見る桜。すずが体現する「この世界で普通で」いることの価値。春が過ぎれば夏が来る。

2017/04/05

青蓮

「誰でも何かが足らんぐらいでこの世界に居場所はそうそう無うなりゃせんよ」リンさんの強い言葉が印象的でした。戦争の色が濃くなっていく日常が読んでいて辛いけど、すずのほんわかした性格や雰囲気に救われる。それはすずの周りにいる人達もきっとそう感じていたはず。

2017/01/29

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