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殲滅特区の静寂 警察庁怪獣捜査官

殲滅特区の静寂 警察庁怪獣捜査官

殲滅特区の静寂 警察庁怪獣捜査官

作家
大倉崇裕
田中寛崇
出版社
二見書房
発売日
2022-12-12
ISBN
9784576221960
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殲滅特区の静寂 警察庁怪獣捜査官 / 感想・レビュー

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パトラッシュ

ウルトラマンのいない世界では、怪獣退治も官僚のお仕事でしかない。当然そこには政治や組織絡みの軋轢があり、生じた利権を巡る犯罪も発生する。正確には「怪獣関係犯罪捜査官」である船村が、怪獣退治の現場担当者である正美とバディを組んで事件解決に奔走する姿は特殊設定の警察小説だ。街を破壊し人命を奪う怪獣は確かに恐ろしいが、それを利用して私利私欲を追求する人のエゴはもっと恐い。特撮マニアの心をくすぐるパロディも巧みに織り込まれて、笑うしかない。『怪獣のあとしまつ』などというB級映画よりも、こちらこそ実写化してほしい。

2023/10/18

Bugsy Malone

主人公は「怪獣文藝の逆襲」に収録されていた短編「怪獣チェイサー」の怪獣省予報官岩戸正美。今回は山本弘さんの「MM9」を彷彿とさせられる怪獣対策をしながら、どうにも「ケイゾク」の泉谷しげるさんをイメージしてしまう専任調査官船村と共に怪獣出現のどさくさに起きた殺人事件を調査する羽目に。特撮好きには堪らないオマージュが随所に読み取れにやにやしてしまいました。「怪獣とミステリ」、私の好きな言葉です。こんな小説は大歓迎、続きが読めることを期待しています。

2023/01/10

yukaring

怪獣×エンタメ×本格ミステリでまるでワクワクが詰まった玉手箱のような1冊。怪獣が甚大な被害をもたらす世界。被害が深刻だった日本は「怪獣庁」を設立して対怪獣先進国として名を馳せる。しかし怪獣を分析する怪獣予報官・正美が任務中に遭遇する奇妙な殺人事件。止まらなかった風車、音響規制の中で鳴り響く銃声など怪獣ではなく人が原因と思われる事件に現れるのは怪獣捜査官・船村。2人のバディの掛け合いが楽しく、もちろんグランギラスやデスリンドンなど怪獣も出てきて大暴れ。「本当に怖いのは怪獣より人」という船村のコメントが深い。

2023/01/19

雪紫

「怪獣は怖い。だけどね、人も怖いよ。私にとっては、怪獣なんて比べものにならないくらい、怖い」怪獣襲来が当たり前になった世界。慣れきった今、それに乗じて犯人もそれ以外も欲望まみれの殺人が相次ぐ。怪獣対策色々行われてるせいか、そんな世界に煽られた人間の醜い欲望が際立つことで・・・。そんな事件を目の当たりにしたからエピローグの心境が引き立つ・・・これで続編なかったら色々ズルいぞ。好みは「工神湖殺人事件」。一番怪獣要素おとなしいように見えて個人的には、らしい話だと思った。

2023/03/28

bura

「怪獣は怖い。だけどね、人も怖いよ。」1954年に怪獣1個体が出現してから(笑)地球上で様々な怪獣が猛威を奮う世界が舞台。日本に怪獣省が設置され、岩戸正美第一予報官と警察庁の怪獣捜査官船村が怪獣にまつわる殺人事件に立ち向かう。ミステリは適度に楽しめ、特撮好きなら土屋嘉男怪獣大臣(笑)、田崎潤首相(笑)、平田(笑)統制官(笑)等々のパロディを更に満喫出来る。適度に期待していたB級映画が思った以上に面白かった。そんな怪獣ミステリ小説でした。

2023/08/30

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