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大政翼賛会のメディアミックス:「翼賛一家」と参加するファシズム

大政翼賛会のメディアミックス:「翼賛一家」と参加するファシズム

大政翼賛会のメディアミックス:「翼賛一家」と参加するファシズム

作家
大塚英志
出版社
平凡社
発売日
2018-12-11
ISBN
9784582454536
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あらすじ

みんな動員された──。
長谷川町子が描き、古川ロッパが歌い、手塚治虫が二次創作し、みんなが投稿した「ニコニコ」メディアミックスの正体とは?
戦時下、大政翼賛会が主導して「翼賛一家」というキャラクターが生みだされた。多くの新聞、雑誌にまんがが連載され、単行本もいくつか出版されるが、「翼賛一家」の展開はそれだけではない。それは、レコード化、ラジオドラマ化、小説化もされる国策メディアミックスであり、読者からの参加を募ることによって、大衆の内面を動員するツールだったのだ。 「町内」という世界観や銃後の心得を人々に教え込み、やがては植民地政策の一環として台湾へも進出する「翼賛一家」とは一体何だったのか──。
「自由な表現」が可能になった現在、私たちは無自覚に「表現させられて」はいないのか。現代への視座にも富んだ刺激的論考!

大政翼賛会のメディアミックス:「翼賛一家」と参加するファシズム / 感想・レビュー

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こーた

戦時下、翼賛一家という漫画があった。どこにでもいる一家の日常を描き、銃後の心得を説く。漫画の中の風景は、現実の生活と地続きになって、いつしか戦争という虚構へ、国民を連れ去っていった。二次創作の奨励、映画に演劇、ラジオドラマ、人形劇、歌謡曲への多メディア展開。古川ロッパが歌い演じ、花森安治が窓口になって、長谷川町子が新聞に描いた、戦時下のメディアミックス。そんな子ども騙しには、今なら乗らないとおもうかもしれない。ほんとうにそうだろうか。ネットとSNSの発達で、大きな声はずっと広く速く拡散するようになった。⇒

2019/02/14

サイバーパンツ

大政翼賛会という編集機関が翼賛一家というキャラクターを用いて行った参加型メディアミックスによって、「町内」や「ニコニコ運動」などを教化され、「動員」された素人の姿は、角川型、SNS型のプラットフォームを介して無自覚に「投稿させられている」現代の私たちに重なり合う。また、文化映画的な方法意識により、死にゆく身体を獲得した手塚の「勝利の日まで」も戦時下プロパガンダが彼を素人として「動員」したことでもたらされたもので、戦後の表現も戦時下と地続きだと考える必要がある。

2019/02/05

onepei

メディアミックスの使い方のひとつとして興味深かった。

2019/03/15

bura

この時代だからこそのメディアミックスか。 マンガを凶器に使用した恐るべき世界。

2019/03/10

Fumihiko Kimura

大政翼賛会たぁ政治的には近衛の失敗作と認識していたが、本書で初めて知った「翼賛一家」から発して、「ニコニコ共栄圏」まで来ると、大政翼賛会がえらい射程をもった運動体だと感得。さらには、メディアミクスはもとより戦後の文化の相当部分を規定していることにも驚く。蓋し手塚治虫は天才である。

2019/02/11

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