〈悲嘆〉と向き合い、ケアする社会をめざして: JR西日本福知山線事故遺族の手記とグリーフケア
〈悲嘆〉と向き合い、ケアする社会をめざして: JR西日本福知山線事故遺族の手記とグリーフケア / 感想・レビュー
壱萬弐仟縁
脱線事故。これは、運転手までも犠牲者となる恐ろしい過密スケジュールがもたらした悲劇だった。3・11も衝撃だが、交通事故としては未曽有の犠牲が大きすぎた。最大のCSRは、遺族への謝罪や生活保障。飛行機事故もそうだが、たまたまその時間にその車両に居合わせた運命とは割り切れないもの、悔恨が遺族を苦しめる。JRとなったのは、中曽根政権のとき。この民営化というものが、国鉄という安全優先から利益優先へと完全にシフトしてこんな大事故につながっていると思えないだろうか。規制緩和し過ぎると、大事故に行き着くとつくづく思う。
2013/06/24
JunTHR
107名もの犠牲者を生んだ福知山線事故の遺族の手記、事故をきっかけに作られた「上智大学グリーフケア研究所」の高木慶子さんや作家の柳田邦男による寄稿。遺族の方々の感情や想いはとにかく多様で、ただ想像するだけではとても届かないような複雑さを感じ、その理解の助けになった。そして、阪神淡路大震災以降に広まってきたというグリーフケアの理論もその多様性に対応すべく、非常に複雑で幅の広いものになっているのだと分かった。「〈悲嘆〉と向き合い、ケアする社会をめざして」というシンプルなタイトルにも、強い意志を感じる。
2013/08/29
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