星野道夫 約束の川 (STANDARD BOOKS)
星野道夫 約束の川 (STANDARD BOOKS) / 感想・レビュー
Tenouji
なるほど、星野道夫氏はカリブーの群れを追っていたのか。やはり、対象を見つめる視線、時空間に関する感性が違うな。都市は離散的で真逆な時空を持っている。円環的な感覚を取り戻す必要があるのかな。
2021/05/30
pirokichi
先月発行された星野道夫さんの随筆集。やっぱり素晴らしい。もう~一篇目の一行目からガツンとやられてしまった。クジラ、カリブー、ムース、ワタリガラス、トーテムポール…星野さんの文章は、アラスカの大自然とそこに生きる人々を、そしてさらにもっともっと広い世界があることを教えてくれる。「地平線へ消えてゆくカリブーの大群を茫然と眺めながら、揺さぶられるような感動とは裏腹の、ひとつの時代を見送っているような哀しさがあった」。星野さんの精神的な深さは、私をあたたかく包み込んでくれる。
2021/03/14
MOTO
見慣れたはずの雨や雪、風や空や海とか虹とか…。でも何度も見ても心が遠のく。星野さんの言葉にも感じるそんな果てしなさ。
2021/06/21
kurupira
アラスカの実生活を星野さんが出会う人々から垣間見れる。過酷でシンプルな暮らしに対して、憧れではないが、何か羨ましさを感じてしまう。北米の神秘的な環境は日本の自然崇拝や木造文化と近いものがあると思われ、本作でもクジラを狩る話、朽ちたトーテムポールを探す話からそんな印象を持った。「約束の川」はシンプルだが余韻が残る話、死が人間にとって避けられない、まさに緩やかに川を下っていくイメージと重なり、、そして亡くなられた年の話でもあり感慨深い。
2021/07/26
アルクシ・ガイ
クジラを食べ尽くしたあと、クジラの顎の骨を海に返す。カリブー一頭で食料から防寒着までまかなったあと、頭の毛皮を森に返す。狩猟民族独特の、動物とのコミュニケーション(といっていいのかどうか)なのだろう。心に染み入るエッセイを読み、でも読むだけで行きはしない。それでも何かの一滴にはなるのだろうな。
2021/10/21
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