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自分ひとりの部屋 (平凡社ライブラリー)

自分ひとりの部屋 (平凡社ライブラリー)

自分ひとりの部屋 (平凡社ライブラリー)

作家
ヴァージニア・ウルフ
Virginia Woolf
片山 亜紀
出版社
平凡社
発売日
2015-08-25
ISBN
9784582768312
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ジャンル

自分ひとりの部屋 (平凡社ライブラリー) / 感想・レビュー

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buchipanda3

初ウルフ。これは随筆なのだが、架空の女性作家を登場させるなど現実と虚構が混ざり合った擬似的な小説の感覚で読めた。主題は「女性と小説」。先駆となる女性作家の歴史を女性の社会的立場の変遷と共に紐解き、彼女たちの心情などが語られる。オースティンは執筆を共用の居室でしか出来ず、集中できる環境ではなかったらしい。女性の創作への理解が全く為されない時代があった。これが書かれた1920年代でもまだ不遇だった思う。でも彼女は本作の主張として男女の対立(比較)よりも小説を書いて欲しい、それが大切と締め括るのが印象的だった。

2020/08/01

アキ

およそ100年前ケンブリッジ大学で女子学生に行われた有名な講演の書籍化本。この書に「女性が小説を書こうと思うなら、お金と自分ひとりの部屋を持たねばならない」という有名なフレーズがある。イギリスにおける女性の作家の変遷と、もしシェークスピアに妹がいたらなどの空想、その頃のフェミニズム運動にも言及し、架空の女流作家に「あと百年経てば、彼女は詩人になるでしょう。」と声をかける。さて現在、多くの女流作家が花盛りのように思えますが、著者であればなんて論評するのでしょう?まずまず満足できる状況なのではないでしょうか。

2020/11/11

やいっち

ミア・カンキマキ著の「清少納言を求めて、フィンランドから京都へ」にて幾度も参照。 「女性が小説を書こうと思うなら、お金と自分一人の部屋を持たねばならない」。経済的自立と精神的独立(プライバシーの確保)が、女性が自律的に創作活動をするうえで不可欠だということ。女性の自立が懸命に模索されていた時代だからこその、懸命の主張だろう。だからといって、女性が男性を反対勢力とみるのではなく、あくまで男女が共に性を意識せず、ただ書きたい、表現したいテーマに向き合うことの大切さを唱えている。

2016/04/27

こばまり

怒ってます。女性たち奮起せよと檄飛ばしてます。付された膨大な注釈から、勤勉な読書家でなければ優れた批評家にはなれぬと感嘆。CブロンテやJオースティンが描くヒロイン像は旧態依然であるとバッサリ。成る程フェミニスト視点だとイラつくかもしれない。私は結構好きだけれども。

2016/01/01

yumiha

女子カレッジでの講演を書籍化したもの。約100年前の英国の状況を思い浮かべる。現在だって女性の置かれた立場には腹立たしくなるけれど、当時は女性参政権をやっと得たり、妻が収入財産を所有できたりした頃(それまでは夫が管理)。『女たちのテロル』(ブレイディみかこ)でのサフラジストたちの過激すぎる(?)運動もむべなるかな、と思わされた。「女性が小説を書こうと思うなら、お金と自分ひとりの部屋が必要」と著者が言うのも、それ以前の教育の機会を奪われ財産もなかった女性の状況ゆえだ。シェークスピアの妹(空想)は痛々しい。

2020/12/18

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