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豊乳肥臀 (上)

豊乳肥臀 (上)

豊乳肥臀 (上)

作家
莫言
吉田富夫
出版社
平凡社
発売日
1999-09-21
ISBN
9784582829389
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豊乳肥臀 (上) / 感想・レビュー

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白義

ぶっちゃけ、邦題はおっきなおっぱいとこえたおしりでもよかった気がする。猥雑で豊潤なエロスと原始的なバイオレンスが抗日戦争以後の中国近現代史を舞台に炸裂する一大サーガ。おっぱい大好きでなぜか赤ん坊時代からしっかり物語を語ってくれちゃう金童をはじめとした上官家の物語はとにかく濃く、出てくる登場人物は国民軍も共産党も政治に翻弄される村人も、みんな等しく野性的でどうしようもなくてパワフルだ。ハードな題材も莫言にかかればここまで哀しくも滑稽な神話になるということか。分厚さが全く気にならない面白さだ

2012/11/02

きいち

読んでいる感じはガルシアマルケスっていうよりバルガス=リョサや中上健次に近い。「紅いコーリャン」の原作者ってこともあって、上巻を引っ張る主人公の母親や姉たちはコン・リーのイメージ。日本軍の侵略~国共内戦の激動の時期をそれぞれの男たちと(動かない語り手とは対照的に)精力たっぷりに動きまわる。抗日ゲリラも匪賊も共産軍のリーダーも描き方はとても公平で猥雑で、変なストレスは全くなくしっかり物語の中にのめりこめる。それにしても、よくこんな小説を軍に所属してた莫言が発表できたよなあ。今も発禁らしいけど。

2011/12/13

荒野の狼

中国のノーベル文学賞受賞作家である莫言の長編。上下二段に体裁の単行本で厚みはあるが読みやすく、2週間ほどで読破できる。8章に分かれるが、訳者が原作者と相談の上で各章に小題をつけ、その下に時代背景の註釈がついており、これが小説の流れをおさえるのに役立っている。第二次世界大戦前後の日本軍が中国に侵略してくる時代から、鄧小平の時代の経済改革までの長い中国の動乱の歴史が時代背景だが、政治思想・団体の善悪や正否は問わず、この中で庶民、とくに主人公の母親と8人の姉がどう生きて死んで行ったかが描かれる。

2021/07/17

hayaco

通勤電車で読むのにこのデカデカとしたタイトルは如何か…と躊躇していたのだけれど、ノーベル文学賞受賞の今ならイケる!と読み始めた。今のところ文句なしにいい!悲劇的な内容だけど世界にどんどん入っていける。主人公の恋乳病をどう読むべきかは未だ判断つかないが…。

2012/10/26

→0!P!

レ・ミゼラブルの書評に、唯一の欠点は、面白すぎることであると書かれていたのを見たことがありますが、久々にそれが当てはまる本に当たったと思います。場面が目まぐるしく展開し、宛も漫画を読んでいるかのようでした。

2016/04/24

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