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至福のとき: 莫言中短編集

至福のとき: 莫言中短編集

至福のとき: 莫言中短編集

作家
莫言
吉田富夫
出版社
平凡社
発売日
2002-09-01
ISBN
9784582831207
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至福のとき: 莫言中短編集 / 感想・レビュー

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白義

都市を舞台にした小説が多く、莫言作品の中でも軽みと滑稽さが目を引く作品が多い。侘しき退職老人小説としてもホラーとしても読める「至福のとき」や法螺に次ぐ法螺の連鎖が世界観全体を馬鹿馬鹿しきものにしている「宝の地図」なんかは読みやすい。「飛蝗」は蝗害と闘う一族とその青年の昏い閉塞、狂気が文章により渾然一体となったマジックリアリズム作品。「沈園」はこの五編の中ではおとなしめの恋愛小説。傑作は「長安街のロバに乗った美女」で、ロバに乗った美女たちを追いかけるただそれだけのアホらしさ。あるいはSFかもしれない

2012/10/27

星落秋風五丈原

赤いコーリャンの原作者短編集。「至福のとき」も映画とは全然違う「長安街のロバに乗った美女」「宝の地図」「沈園」「飛蝗」収録。

2002/11/04

ヴィオラ

なるほど、ラテンアメリカ作品を読んでいた時とどこか感触が似ている。具体的な「マジックリアリズム」の定義は未だに良くわからないけれど、なんとなく感触はつかめてきたのかも。個人的には表題作や中篇「飛蝗」より、不思議なエスカレートの仕方とトボケタ最後が楽しい「長安街のロバに乗った美女」や、いきあたりばったり具合が楽しくて、でも最後なんだか綺麗にまとまりました的な「宝の地図」が好き。

2012/10/17

王天上

表題作はぴんとこなかったけど、あとはとても面白く読めた。「宝の地図」が妙なドライブ感があって一番好き。マジック・リアリズムが好みのひとにおすすめです。

2013/01/22

nami_dayawati.devi

濃厚な中国の空気を感じさせる中短編集。表題の「至福のとき」は笑いを誘う軽快な作品。著者の作品で初めて読んだ作品だったのだが、調子抜けしてしまうほどのユーモアと毒を含んでいる。 「飛蝗」は、主人公の彼が一族の壮絶な過去を紐解く場面と現在、幻想が錯綜する作品。イナゴは彼の心を覆い尽くす闇なのか?少し掴みきれない部分もあったがなかなか面白い。

2013/02/26

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