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幸田文 旅の手帖

幸田文 旅の手帖

幸田文 旅の手帖

作家
幸田文
青木玉
出版社
平凡社
発売日
2010-03-01
ISBN
9784582834680
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幸田文 旅の手帖 / 感想・レビュー

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ソラ

幸田露伴の娘である筆者の随筆を編纂した作品だが、旅を主なテーマとしており、訪れる先々での心情が細やかに綴られている。筆者の見ている風景は、一つの対象を様々な方向から捉えているようであり、深く考えていく心情の揺らぎが、こちらにもしみじみと伝わってくる。そこから、筆者はとても真摯な心根で物事と向き合い、瑞々しい感性をいつまでも絶やさずに、人生を送られたんだろうと、勝手に思ってしまう。色鮮やかな紅葉を、様々な色味で喩え、鶯の聲を寸評し、土地の人々の暮らしを思い、ふと心に湧く旅愁に憂う。言葉の美しさを噛み締める。

2021/01/30

hitsuji023

歯切れが良く、すらすらと読み進めているうちに著者の見ている物、考えている事が自分の内に入ってくるような文章だ。これは何度でも再読できる随筆だろう。読む前のイメージとは違って積極的な行動力に目を見張った。なかでも「雨」という一章が心に残った。病気療養のため電車で温泉へ行くという話だが、途中ふとしたことで昔の事を思い出す所など情景が浮かんで目の当たりにした感じがした。正直に感じたままに書いてるなという感じがする。

2016/03/25

きりぱい

旅の編のせいか、より景色が生き生きとしていて随筆にも広がりを感じる。愁いを残すものもあるけれど、老いの身を見据えた旅ゆきに教えられたり、恋心に躍る様子などには読む方の気持ちも弾む。今回は、「菓子」での某さんと父の言葉や、「紹介状」の結末、「雨」で思い出すことなど、どきんとさせられる部分も多かった。著者言うところの「古風でおセンチな旅」をしてみたくなる。

2010/05/26

ZEPPELIN

昭和中期〜後期の日本の香り、そして悲喜こもごもの旅愁や旅情が感じられる。寂れつつある田舎への旅が特に感傷的。また、親譲りなんていうと失礼になるくらい、美しく厳しい文章。言葉の選択も素晴らしく、ありきたりな動詞や形容詞しか使えていない自分の日本語のだらしなさ、語彙の貧弱さを痛感させられる。晩年には、松を見るために我が秋田を来訪されていたとのこと。結構近場なので、幸田さんがあの松林をどう観察されたのか。あの世でお会い出来たら伺ってみたい

2014/02/28

はなみずき

ひさしぶりに日本人って感じを意識して、丹田に力が入ったようなキモノを着たような気分になった。そして文章が、文章というより静かに凛とした空気を感じながら上質な風景画を美術館で拝観してるようなイメージで時間が経った。こんな旅気分は楽しかった。こんなふうに時間と自然(日本)と人と関わりながら歳をとりたいな。

2010/05/22

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