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夜告げ鳥 初期作品集

夜告げ鳥 初期作品集

夜告げ鳥 初期作品集

作家
三島由紀夫
出版社
平凡社
発売日
2020-02-01
ISBN
9784582838268
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「夜告げ鳥 初期作品集」のおすすめレビュー

三島由紀夫の“お蔵入り”初期作品集『夜告げ鳥』と自決直前のインタビューとは?

『初期作品集 夜告げ鳥』(三島由紀夫/平凡社)

 三島由紀夫による初期作品集『夜告げ鳥』が、没後50年となる2020年に出版された。1949年に『仮面の告白』で本格的な作家デビューをする前年に出版される予定がありながら、出版社の倒産によって実現しなかったものだ。

 三島自身が評論、詩、小説を自選しただけではなく、本全体のイメージについてもアイデアを出しており、本書の口絵には三島直筆による装丁案と自選集の目次(「山中湖文学の森 三島由紀夫文学館」収蔵。文学館には三島の幼少期からの作文や絵、創作ノート、直筆原稿、資料などが多数収蔵・展示されている)が掲載されている。とても几帳面な字で、何事にも抜かりのない性格が透けて見えるようだ。

「山中湖文学の森 三島由紀夫文学館」ロビー奥の庭にはアポロン像があり、南馬込にある三島由紀夫邸の庭を模している。三島邸の像はローマで特注したというコピー品で、像とそれを取り巻く黄道十二宮は大理石で出来ている。ヴィクトリア朝風コロニアル形式で建てられた自宅を、三島は「キンキラキンの悪者の家」と称した。

 また三島の自伝的エッセイ『…

2020/3/20

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夜告げ鳥 初期作品集 / 感想・レビュー

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starbro

久々の三島由紀夫、没後50年幻の初期作品集、興味深く読みました。三島由紀夫は澁澤龍彦と親交があったり、プルーストを読んでいたり、色々と接点がありました。

2020/03/29

くまさん

「東京駅へむかふ省線のなかで、恋や別離といふ言葉に何一つ値ひしない自分を思つた。何が恋だ。たゞ一度見たきりの女ではないか。従つて何が別離だ。……模倣であり観念であらうと、悲しみと喜びは一度(ひとたび)確実に僕自身のものであった」(「恋と別離と」)。「物そこに在るとき既に花咲ける也」「是を聞きて霜置ける菊の如く朝かげにきらめけるよき人の眼は美し」(「詩人の旅」)。23歳の文学青年に満ちる言葉とイメージが、これほどまでに色めき立ち、哲学的な思考とも響き合っているということ。言葉を生きた人は言葉に生き続ける。

2021/01/02

コーギー

本当に器用な人だったのだなあ。あれだけヴァラエティに富んだ作品をこんな若くして書いているとはね。それだけに詩神は自分に憑いていないということをよくわかっていたそうで。「詩のごときもの」はいくらかの才能さえがあればかけるんだよ、という具合に。 詩と言えば、戯曲「サド侯爵夫人」に非常に詩的な長台詞があるが、あれもまさに三島の得意とするところの「詩のごときもの」だったと改めて思いなされた。 詩が書けないから、「詩のごときもの」を小説や戯曲に諧謔的なニュアンスも含ませながら挿入する。コムプレクスが垣間見える。

2020/04/29

御庭番

言葉が昔の書き方で読むのに苦労しました。 三島節の古典作品みたいな話がとても面白く、できたら現代語に訳し直したもので読みたいな。 【図書館で借りました】

2020/07/30

belle

未熟に感じる部分もあるものの、楽しく読んだ。 「菖蒲前」と「扮装狂」がお気に入り。 "僕はキラキラした安っぽい挑発的な華奢なものをすべて愛した。" とても、わかる。

2020/12/13

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