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旅ごころはリュートに乗って: 歌がみちびく中世巡礼

旅ごころはリュートに乗って: 歌がみちびく中世巡礼

旅ごころはリュートに乗って: 歌がみちびく中世巡礼

作家
星野博美
出版社
平凡社
発売日
2020-09-28
ISBN
9784582838459
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旅ごころはリュートに乗って: 歌がみちびく中世巡礼 / 感想・レビュー

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たま

『みんな彗星を見ていた』の中に著者がリュートを習いはじめるエピソードがあるのだが、この本はその後日譚。天正遣欧使節らが帰国した際秀吉の前で演奏したと言われる「千々の悲しみ」に始まり、『モンセラートの朱い本』、『聖母マリアのカンティガ』(13世紀)へと興味が歴史を遡っていく。言及されている楽曲は中世の心性を素朴に歌っており面白いのだが、「歌がみちびく中世巡礼」という副題の割には紀行の部分が少なく残念。最後の数章は2019年の教皇来日と日本人の殉教、その列聖、列福にあてられている。

2020/12/16

belle

著者のリュートを抱いての旅は、時代を遡り地域も広がり彷徨い出す。甘やかな音色から民衆の叫びや魂の声に近づくような。手持ちの音楽史年表を開いた。まずはバロックの三大家が生まれた1685年。そこから過去へ。1550年頃全欧州でリュート演奏盛ん。ルターの95ヶ条の論題発表は1517年。さらにルネサンス花開く時代を過ぎ1420年頃伊国でリュート演奏盛ん。中世だ。本書では13世紀末のガリシア・ポルトガル語の「聖母マリアのカンティガ」に半分を費やす。宗教のせめぎ合いでイベリア半島は未だ混沌。著者の旅の熱に感染した。

2020/10/28

わいほす(noririn_papa)

リュート(音楽)、中世(歴史)、キリスト教(宗教)という好奇心をくすぐるキーワード、そしてNHK大河ドラマ「黄金の日々」で天正遣欧使節団がリュートを演奏した話や、カラバッジオやフェルメールが描いたリュートの絵の話など最初はぐいぐい引き込まれた。しかし東はコンスタンティノープルや正教会、西はスペインでのレコンキスタと、広大な地域と複雑な歴史に知識が追いつかず、著者はリュートを奏でるように縦横無尽にカンティガの歌詞に綴られた歴史の旅を軽やかに続けるものの、こちらのページをめくる速度は落ちてしまった(笑)。

2020/11/10

ぺんぐぃん

著者独特のユーモアを交えた語り口は、世界史とキリスト教の教養が全くない私にも読む気にさせてくれる。時空を超えたリュートに導かれる旅は、どこへ行くのかわからないまま、あちこち飛び回り、最後はキリシタン弾圧の長崎に帰着し、この壮大な旅に納得もした。途中私も旅したモンセラートやマラケシュなども登場し、懐かしかったけれど、当時の自分は全くキリスト教とのかかわりは意識しておらず、今思えばもったいなかった。それにしても、資料集めや解読等著者の執念深さというか、がんこな探究心には感心した。

2020/12/11

Yoshihiro Yamamoto

B+ 以前読んだ「みんな彗星を見ていた〜私的キリシタン探訪記」がリュートという古楽器を通じて、天正遣欧使節や日本におけるキリスト教受難の歴史などを綴った素晴らしい本だった。この度、その続編とも思われる本書が発売されたので、期待して読んだ。今回もリュートをきっかけに、13世期半ばにカスティージャ王に即位に即位したアルフォンソ10世が編纂した「聖母マリアのカンティガ集」が取り上げられる。この曲集の出てくるキリスト教、ユダヤ教、イスラム教が「それぞれどのように位置付けられているか」を読み解き、中世世界を旅する。

2020/11/29

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