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本当は恐ろしいグリム童話 最終章 (ワニ文庫)

本当は恐ろしいグリム童話 最終章 (ワニ文庫)

本当は恐ろしいグリム童話 最終章 (ワニ文庫)

作家
桐生操
出版社
ベストセラーズ
発売日
2008-07-18
ISBN
9784584392652
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本当は恐ろしいグリム童話 最終章 (ワニ文庫) / 感想・レビュー

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シリーズ3作目の最終章。でも続けて読んでしまうとさすがに新鮮味もなく、展開も視点も解釈の角度もある程度同じなので、先が読めてしまうのがなんだかな・・な感じではあった。そしてそれは同時に、グリム作品もまたある意味ワンパターンだったのだと言わざるを得ない。名作とは名作として読み手が作りあげていくものなのか、元々名作だから語り継がれ代々残っていくものなのか、そんなことを考えながら読んだ。それでも、「赤ずきん」はなかなか良かったし印象に残った。

2013/09/26

のんぴ

童話とか神話ってことごとく不気味で怖いものしかないような気がしてくる。なんで現実もよく知らない無垢な子どもにあんな話を聞かせるのか。恐怖に耐性をつける訓練なのか。この本はグリム兄弟が渉猟した元ネタや、研究者の推論を絡ませ、著者独自の新展開を試みる。昔の女性の閉そく感や、好奇心、男の変態性、女性に抱いていた理想をくだがれた失望を基軸に、グリム童話(含アンデルセン)が江戸川乱歩風に、エログロ度を増してリメイクされる。

2021/03/04

朱邑

このシリーズ3冊目。ここまでくると、エグさはだいぶ慣れたように思います。『赤ずきん』の設定がちょっと意外。赤ずきんちゃんの復讐心に感嘆しつつ、実はお母さんがいちばん強か……?な展開に、女性強しと思いました。『人殺し城』が一番エグかったかなと。いつかの青髭を彷彿とさせる作品でした。伯爵の嗜好など含め、最後の最後にきた~という感じ。解説も含め楽しめました。

2016/07/21

cherry☆

どの話においても率直な印象として、人間て怖いな…と思った。また女の自分が言うのもなんだが、「赤ずきん」「赤い靴」「マッチ売りの少女」のどの話においても女は強い。執念の強さが怖いと言うか…ある強い思いがありさえすれば、どんなことでもやってのけてしまう異常さや強さが印象的だった。「豚殺しをした子供たちの話」と「人殺し城」は今回初めて知った話。子供の読む童話としてのグリム童話にこのような話があったのは衝撃的だった。グリム童話の中には初版掲載後に削除された話も多いのだそうだが、これはそれも大いに納得できる内容。

2014/08/31

非日常口

会田誠展の帰りに購入。最近の性、旅行、原発と言った非日常っぽい日常に対しての風刺が痛烈な展覧会だった。現在の日本は気が付けばそういうものを見えないところに追いやってきたが、それは危険に対する認識をそぐものに他ならない。赤ずきんや赤い靴、マッチ売りの少女はどれも女の子のRPGのように感じる。一度体験して対策を考えさせる。だが今のゲームはどうか。刹那的な暇つぶしか、ラスボス倒すためだけのゲームになっていやしないか。そこに教訓はあるのか。似非のストーリーテリングが蔓延る現在だからこそ恐怖のメルヘンに没入したい。

2013/03/28

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