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「本読み」の民俗誌―交叉する文字と語り

「本読み」の民俗誌―交叉する文字と語り

「本読み」の民俗誌―交叉する文字と語り

作家
川島秀一
出版社
勉誠出版
発売日
2020-06-12
ISBN
9784585230816
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「本読み」の民俗誌―交叉する文字と語り / 感想・レビュー

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イトノコ

図書館本。東北地方で行われてきた「本読み」の文化についての論文。なかなかに難しい内容。特に途中の古文書のパートは流し読み。本が安価に流通しておらず、識字率も高くなかった時代。もちろんネットなどの娯楽もなかった時代、本は村の共有財産であり、それを村人に読んで聞かせる「本読み」の人がいたと言う。読まれる本は地方に伝わる昔語りもあったが、少ないながらも流通していた講談本が主だった。当時初等教育を受け始めた子供達が、文盲の大人に読んで聞かせる事もあったと言うのが興味深い。今のネット文化に通じるものがあるかも。

2021/06/27

bapaksejahtera

明治期鉄道では新聞を音読せぬよう注意された。私なども年寄りは書物を音読するものと記憶している。読書は音読する物であった。本書は書物が一般民衆の生活の中でどのように機能したか、古老からの聞き取りを中心とした民俗採取である。東北大学の研究者らしく宮城県とくに伊達領の話が多く私には親しい。明治から大正期、近代教育を受けた人間が講談本を中心とする音読を行う。これを好んで聴く年長者は書物を購入までして求めては音読を請うた。なかにはこれを暗証しては他に披露する者もあった。祭文語りなどもこうした習得に馴染んだという。

2020/10/24

futomi

岩手や宮城など東北三陸沿岸地域の、昔話や伝承について。漁の合間や田仕事の時に本を読んだり覚えた物語をしてくれる人がいた。文字の読めない人が読んでもらうため本を買ってきたこともあった。 そこで語られた中に「順礼お鶴」、呪詛の言葉にや「鯖大師」の名が出てきて阿波の者としては驚き。

2020/09/23

ガジ

大学の先輩にオススメされて読んだやつ。個人的には、本読みや本の流通に関わった人などについて記された第一部が面白かった。章一本一本が一論文としても成立している(し、「おわりに」と「まとめに」はめちゃくちゃ読みやすい) とりあえず本を図書館に返します

2021/11/20

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