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([お]4-3)ピエタ (ポプラ文庫 日本文学)

([お]4-3)ピエタ (ポプラ文庫 日本文学)

([お]4-3)ピエタ (ポプラ文庫 日本文学)

作家
大島真寿美
出版社
ポプラ社
発売日
2014-02-05
ISBN
9784591137710
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小泉今日子が導かれ、たどり着いた場所――『ピエタ』が持つ物語の引力 小泉今日子インタビュー

 ※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年8月号からの転載になります。

 近年、演劇プロデューサーとしてもその手腕を発揮している小泉今日子さん。最新作『ピエタ』では久々に自身もキャストとして出演。長きにわたって構想していたという本作への想い、そして舞台にかける情熱をうかがった。

取材・文=倉田モトキ 写真=MARCO

 小泉さんが小説『ピエタ』と出合ったのは刊行されてすぐの2011年。当時、読売新聞の読書委員として書評を寄稿しており、その時の担当者からの強い推薦だった。 「面白くて、読む手が止まりませんでした。18世紀のヴェネツィアが舞台の物語というのもありますが、海外文学のような肌触りを感じて。時代や文化などすべてを超えて胸に響いてくるものがありました」 『四季』で知られる作曲家・ヴィヴァルディ。彼が孤児のための施設「ピエタ慈善院」で音楽を指導していたという史実を基に、彼亡きあとに絡み合う、幾人もの女性たちの数奇な運命を描いた本作。 「出自も生活環境も異なる人たちが出会い、やがて支え合いながら、最後にはささやかな光にたどり着く。そこに美しさを感…

2023/7/7

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「あるかしら文庫フェア」リターンズ! ヨシタケシンスケさんの絵とともに、今の気持ちにぴったりな一冊が見つかる!

 読みたい本を探すとき、まずどんなことを思うだろう。「なんとなく、わくわくしたい」「切ない気持ちになりたい」「がっつり人間の深みに触れてみたい」など、漠然としていることも多いんじゃないだろうか。そんなときおすすめなのが、ポプラ文庫が開催する書店店頭フェア「あるかしら文庫」だ。

 昨年、『あるかしら書店』を描いた絵本作家・ヨシタケシンスケさんとのコラボで実現した同フェア。今年は「あるかしら文庫フェアリターンズ」として開催されている。よりすぐりの対象作品にかけられるカバーに、あらすじは一切なし。ヨシタケさんのイラストとキャッチコピーだけなのに、なぜか手にとって読みたくなってしまうのは、読者自身も気づいていない願望を、ちょうどよくくすぐってくれるからだ。

 たとえば「読みやすくて笑えて、共感もできちゃう本がいいんだけど、あるかしら?」というキャッチがついたのは『地底アパート入居者募集中!』(蒼月海里)。「子どもに対するやさしい気持ちを充電したい。いい本、あるかしら?」には『きみはいい子』(中脇初枝)。昨年も展開された16冊に、今年は新たに8冊が仲間入り…

2019/4/17

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([お]4-3)ピエタ (ポプラ文庫 日本文学) / 感想・レビュー

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しんごろ

作曲家ヴィヴァルディの伝記物かなと思って読んだら、ヴィヴァルディに関わる女性達の話でしたね。最初、読んでるうちは、なかなか入りこめなかったんですが、読み進めるうちに18世紀のヴェネツィアの風景、情景が浮かびあがり、優しい文章で温かく優しく包みこんでくれ、ラストシーンは、ウルッとしちゃうくらい美しいですね。ヴェネツィアの歴史も覗くこともできて、イタリアに行きたくなりました。ヴィヴァルディの曲を聴きながら読むと、さらに良い作品になるかもね(^^)

2017/05/04

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

ピエタ慈善院で育ったエミーリアが、ある楽譜を契機に亡き恩師ヴィヴァルディの軌跡を追う、静かであたたかく美しい物語。幼き頃の、音楽と共にある日々。カーニバルの非日常、ひとときの恋。描かれる18世紀のヴェネツィアが鮮やかで、関わる人たちの密やかな優しさがひっそりと寄り添ってくる。「むすめたち、よりよく生きよ」歌の通り生きた美しさが、こちらの背筋もそっと正す。まるで児童書のような柔らかな語り口、少しずつ謎が明らかになっていくミステリのような趣き。とても好みな作品でした。この方の他の作品も読んでみたい。

2019/03/23

takaC

3年前に買った後にどこに片付けたかわからなくなってしまい結局図書館から借りてきて読んだ。物語に入り込むのに割と苦労したけど一旦乗れた後は快調で完読後は満足感に浸れた。

2017/04/04

エドワード

ヴィヴァルディは合奏曲「四季」が有名な作曲家だが、西洋音楽界では一時忘れられた存在だった。この作品の舞台は彼が活躍した18世紀のヴェネツィアで、捨て子を養い音楽会を開いていたピエタ慈善院である。エミーリアも捨て子。ピエタでヴィヴァルディから合奏・合唱を教授され、音楽一筋に生きてきた。彼の死の知らせから、彼の生前の知人の間をめぐり歩く。華やかなカーニヴァルがこの共和国の最後の輝きの暗喩であり、高級娼婦クラウディアの老いた姿が共和国そのものの暗喩である。登場人物はみな老女だが少女のような清純さを湛えて美しい。

2014/02/22

優希

面白かったです。ピエタというと聖母子像を思い浮かべますが、実在した慈善院だったんですね。「合奏・合唱の娘たち」を育てようとするヴィバルディ。娘たちの様々な人生と音楽が静謐な空気と共に描かれていました。ささやかな一期一会や人の繋がりが美しかったです。失われた楽譜が思いもよらない所から出て来たりとミステリーチックなところがあるのも良かったです。ヴェネチアの綺麗な風景の中で「よりよく生きよ」というメッセージが伝わって来るようでした。

2015/11/17

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