さぎ師たちの空 (ポプラ文庫 な 13-9)
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「ズッコケ三人組」の著者が25年前に発表した、コンゲーム(詐欺)小説の快作がついに復活! 那須正幹著『さぎ師たちの空』
『さぎ師たちの空』(那須正幹/ポプラ社)
那須正幹の名作『さぎ師たちの空』(那須正幹/ポプラ社)が文庫化された。那須正幹といえば2500万部という驚異的セールスを誇る児童書のベストセラー「ズッコケ三人組」シリーズで知られる作家。しかしそれ以外にもミステリー、SFなど幅広いジャンルの作品を数多く手がけている。1992年に単行本が刊行された本書は、ファンの間で“名作”と語り継がれながらも、長らく入手が難しかった長編だ。このほど著者と縁の深いレーベルのポプラ文庫から四半世紀ぶりに復活したことは、那須ファンの一人として喜ばしい。
本書は家出少年・太一の目を通して、大阪の下町でたくましく生きるさぎ師たちの世界を描いたピカレスクロマン(悪漢小説)である。
不良グループとトラブルを起こし、広島から家出してきた中学2年生の太一は、大阪駅近くのラーメン屋で無銭飲食をしようとして失敗。店員に殴る蹴るの暴力を振るわれる。そんな彼に救いの手を差し伸べたのは、さぎ師を生業にするアンポという謎の中年男だった。
アンポは自分の部屋に太一を連れて帰ると、さっそくラーメン屋から…
2017/8/30
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さぎ師たちの空 (ポプラ文庫 な 13-9) / 感想・レビュー
J7(読メ低浮上中)
小学生の頃『ズッコケ三人組』シリーズにはまっていた時、同作者の本を色々読み漁っていたのだけど、これだけは何回か挫折して読み切れなかった思い出がある。この歳になり再会して初めて読了した結果、その理由がわかった気がした。児童小説のレーベルだったけど裏社会に生きるさぎ師たちの悲喜劇こもごも描くなんて那須正幹という作家はやはりただ者じゃない。かつての自分には少し背伸びした内容だったのだな。あのころ那須小説は社会にはこういう世界もあるんだよ、人間ってこんなもんだよって、世の中の入り口を見せてくれてもいたのである。
2018/03/27
モリータ
◆初出は児童文学の同人誌『亜空間』1986年11月~1991年11月の連載、単行本は92年ポプラ社刊、文庫版(本書)2017年ポプラ文庫刊。◆Twitterで小泉悠氏がおすすめしていたのをブックオフで拾う。◆那須正幹(1942~2021)。『ズッコケ三人組』、『ズッコケ中年三人組』もまた読みたい。
2023/07/09
ひまわり
昭和の匂いがぷんぷん。話の舞台が大阪というのがよかったです。懐かしい感覚…。
2021/02/28
zanta
45/1/31/2018 出奔するまでの太一と大阪での太一が別人のようで。ちょっと許せないなぁという気がする。でもまぁアンポさんのことは憎めないし。さぎ師は私には出来ない仕事の一つだ。頭が良く口が巧く、マメでないとできない。なかなか楽しい時間だった。
2018/01/31
2Tone
表紙が最近読んだ本のイラストレーターと同じだったので、何か同じ作家ではと勘違いしそうです。詐欺師の話なのですが、学生運動からの体験からきた思想と、任侠道とかもあって、アンポさんと家出の少年、太一を中心に楽しく読みました。
2018/06/13
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