手に持って、行こう ダーリンの手仕事にっぽん
「手に持って、行こう ダーリンの手仕事にっぽん」のおすすめレビュー
刃物・器・紙…『ダーリンは外国人』のさおりとトニーが体験した、日本のモノづくりの現場とは?
『手に持って、行こう ダーリンの手仕事にっぽん』(小栗左多里、トニー・ラズロ/ポプラ社)
今、ジャングルに放り出されたとして、生きられる気がしない。刃物がなければ、食料を適切な大きさに切ることもできないし、道具も作れない。器がなければ、水もすくえない。こう考えてみると、私たちの生活は、あらゆる道具に支えられる。とはいえ、その道具がどう作られているのかを知っている人は少ないに違いない。
代表作『ダーリンは外国人』(KADOKAWA/メディアファクトリー)で知られる小栗左多里さん&トニー・ラズロさんの新刊『手に持って、行こう ダーリンの手仕事にっぽん』(ポプラ社)は、2人が岐阜県で体験した刃物・和紙・器の製作を描き出したコミックエッセイ。『ダーリンは外国人』と同様、小栗さんのあたたかいイラストによって、エッセイが紡がれ、モノづくりの現場の雰囲気をいきいきと描き出していく。この本を読んでいると、なんだか自分も小栗さんたちと一緒になって、モノづくりを体験しているような、ちょっとモノづくりの旅に出たような気分になれる。
たとえば、2人は刀匠の元を訪れ、小…
2018/6/27
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手に持って、行こう ダーリンの手仕事にっぽん / 感想・レビュー
chimako
関の刃物、美濃の和紙、多治見の器。岐阜県は生活を支える物作りが根付いていた。生まれ育った所は東濃地方。製陶を生業とする家も多く、レンガやタイルなどの工場もあちこちにあった。両親は公務員だったが祖父は絵の勉強をした後、陶器やホーローに絵をかく仕事に就き、祖母の実家は陶器の工場を営んでいた。奥行きのある家で迷子になり工場へ迷い混んだこともある。友だちの家は転写を貼り焼き付けして輸出用のコーヒーカップを作っていた。そんなことを思い出した。美濃和紙は今やレッドデータである。地味で厳しい仕事。それを知ることも大切。
2019/08/10
きさらぎ
トニーと左多里夫婦の日本を知る旅。今回は刃物・和紙・器。刃物で有名な関には行ったことがない。まして包丁研ぎなどしたこともない。包丁を研ぐ目安はトマト! 料理人の方は研いで10㎝以上も短くなった包丁を使い続けているらしいので、私も一回ぐらい研いでみようかなぁ。でも最初はものすごく力がいるらしい…美濃和紙も素敵だが、紙を作るには水汲みが必要なため、お弟子さんは握力40以上だとか。ここにも入門はできない私…美濃和紙で作られた提灯で癒され、織部風のお茶碗でゆっくりお茶を飲む時間が欲しい。
2019/07/22
けいた@読書中はお静かに
昨年の旅行て和菓子作りと座禅を体験して以来、「体験系」の旅行に憧れているところへお馴染みの夫婦のルポエッセイ。/包丁作りいいなー。時間はかかりそうだけど。器や紙も自分で作れば愛着がありそうだし、旅も思い出せる。/鍛治や刀から生まれた言葉が多い。それだけ刀が大事で日常の中心にあったということ。「凌ぎを削る」ではなくて、「鎬を削る」なんですね。勘違いしてました。
2018/12/10
まー
包丁や和紙、器を職人さんに教わりながら手作りするルポエッセイ。作る過程も興味深いけど、鍛冶や刃物から派生してきた諺がてんこ盛りで、それだけ昔から暮らしに密着していたんだなぁとしみじみしました。
2018/11/22
かおりんご
コミックエッセイ。さおりさんの故郷、岐阜県関市の伝統工芸の話。実際に紙漉をしたり、包丁を作ったりと、体験がまとめられています。包丁作りなんてできるんだと、興味深く読みました。日本語になっている鍛治用語の紹介もあり、面白かったです。
2020/12/04
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