ハゲの文化史 (ポプラ新書 あ 4-2)
「ハゲの文化史 (ポプラ新書 あ 4-2)」のおすすめレビュー
「セックスすると髪が薄くなる」の真相は? 知の巨人・荒俣宏がたどる、“ハゲの文化史”
『ハゲの文化史』(荒俣宏/ポプラ社)
誰もが気にしている、けれどなかなか口にはしづらい「ハゲ」の話題。8月10日に発売された『ハゲの文化史』(荒俣宏/ポプラ社)は、この「人類とハゲ」という一大テーマについて、知の巨人・荒俣宏が真っ正面から取り組んだ一冊である。
人はなぜハゲるのを恐れるのか。セックスするたび髪が薄くなるという噂は本当か。髪にまつわる世界の神話・伝説から最先端の増毛技術まで、ハゲと髪にまつわる興味津々のエピソードを全4部構成で幅広く紹介している。
第一部は「髪と毛の伝承と科学」と題し、まずは体毛と髪の違いを考察。そのうえで人類が髪に「自然の力」「性的魅力」を見いだしてきたという歴史的事実を、ギリシア神話から現代のアフロヘアやパンクまで取りあげて論じる。
第二部の「毛と髪のマジカルパワー」では、髪の毛のもつ呪術的・宗教的な側面に着目。「処女の髪を切ると貞操が失われる」などの古代のタブー、髪の毛だけに興奮を覚える「髪フェチ」のめくるめく世界など、豊富な話題に引き込まれる。
第三部のテーマは「毛のおしゃれ、髪のよそおい」。年2回しか洗髪…
2018/8/10
全文を読むおすすめレビューをもっと見る
ハゲの文化史 (ポプラ新書 あ 4-2) / 感想・レビュー
こばまり
「ハゲの」というよりも「毛の文化史」ではないかと思えば、なるほどあとがきに事情あり。面白おかしく読んだものの、アリャマタ先生の博覧強記はポプラ新書には収まりきれぬとも感じた。
2018/10/23
ばりぼー
大阪大学大学院の板見智教授によると、医薬品としての発毛薬は、現在開発されている薬が「ほぼマキシム」、すなわち「限界」ではないかという。なぜなら、短期間にぼうぼう毛が生える薬がもし開発されたとしても、発がん性物質になってしまう恐れがあるからだ。がんも細胞の成長という意味では毛の成長と同じで、むやみに伸びればがん化してしまう可能性だってある。板見先生は、歳をとって髪が薄くなるのは、一種の出家と考えるべきだとおっしゃった。自然のなりゆきに任せ、与えられた人生を楽しんでみることにこそ生きる面白さがある、と。
2021/01/13
kenitirokikuti
むかし『髪の文化史』というタイトルで刊行された連載コラム集。ヒトの毛について雑多に論じる。ハゲる動物はきわめてまれ…まぁそれ以前にネイキッドな陸上動物自体がすごくまれだった。頭髪の価値は高いけれど、脇毛と陰毛はそうでもない。ギリシャとローマでは少年愛のため、毛がない方が美とされたらしい。そもそも、思春期 puberty の語源が陰毛の生える時期を指すそうな。(テレビ)アニメ絵では陰毛も脇毛も描かれることがまれである。まぁ、耳の穴や鼻の穴、口の中、肛門、足の裏なども同様だけど。
2019/01/01
たぬ
★3.5 荒俣先生が書いた本なら面白いはず! と軽く期待しつつ読み始めました。20年前に書かれた本の加筆・修正版だそうです。髪の悩みはいつの時代のどの世界でも変わらない。いかに伸ばすか。いかに増やすか。これたぶん、荒俣先生みたいな微妙な頭髪の持ち主(失礼)が書くからこそ説得力も増すのでしょうな。
2019/02/28
てながあしなが
タイトル買い。タイトルは「ハゲの文化史」だが、正確にいうと「髪の文化史」か。こういう釣りタイトルみたいなのはちょっとなぁ…。今回は読み物として面白かったから許せるけど。
2018/09/10
感想・レビューをもっと見る